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日蓮大聖人・池田大作

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創立六十周年祝賀の婦人部記念代表幹部会… 境涯の開花が信仰の目的

1990.4.12 スピーチ(1990.2〜)(池田大作全集第74巻)

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19  世界一楽しい婦人部に
 一般的にも、真剣な責任感と努力があれば、何らかの知恵が出てくるものである。まして、信仰者に行き詰まりはない。「表現」についても同様である。
 ご家庭においても、聡明な言動こそが即、信心の輝きとなる。仏法の理解を広げていく。ご主人に対しても、また未入会のご家族やご親族に対しても、相手の心の奥に届くような、心情の機微をとらえた接し方をお願いしたい。そうした知恵は思いやりでもあり、豊かな人間性の表れともいえる。
 また、お子さんに対しても、感情にとらわれた言い方ではなく、よく考えてあげて、五のうち四はほめてあげる、残りの一は必要に応じて注意してあげるくらいの気持ちでよいのではないだろうか。
 洗練された表現の大切さは、組織においても、地域においても、同様である。
 とくにリーダーは友のため、同志のために、心くばりのある表現をお願いしたい。それが、信心と、教養と、人格の表れなのである。
 無神経な、また無責任な言葉は、人を傷つけるだけではない。リーダーとしてはもちろん、信仰者としても、社会人としても、自分自身をも傷つけることになる。
20  民主主義の根本は「一人の人を大切にすること」である。ゆえに民主の理想は「一人の人」の尊厳観なくしては成り立たない。
 そして「一人」の生命の探究は、やがて、大宇宙にも連なりゆく生命の壮大さへと人間を開眼させていくであろう。そこに開眼せずして、真の「人間尊厳」はない。
 ホイットマンが「民主主義の中核には宗教的要素がある」とし、「宗教的民主主義」を唱えた真意も、中心はここにあると私は思う。この一点のみでも、「民主の時代」の流れは、本格的な「宗教復興の時代」の開幕を告げているのである。
 そして「一人」の生命尊厳を完璧に説き明かしたのが仏法であり、現実に、尊厳なる自身の境涯を開きゆく方法を教えられたのが、日蓮大聖人であられる。
 ともあれ、表面はどうあれ、あらゆる意味で、これまでの思想、体制は行き詰まり、歴史の底流は、「宗教」へ、真実の「人間の哲学」へと動いている。それが世界の識者の共通の認識である。
 その最先端の実践を、日々の生活のなかで繰り返しておられるのが、皆さまなのである。
 婦人部の基盤は、盤石である。この大いなる人間の大地の上で、思う存分、歌い、乱舞しゆく、色あぎやかな″春″が来た。どうか、喜びに満ちた「新しい境涯」で、「新しい表現」の舞台を開き、「新しい人材」を育てつつ、世界一楽しい「新しい婦人部」を、皆さまの団結で築いていただきたい。(拍手)
 大切な皆さま方の、ご健康とご多幸を心よりお祈りして、本日のお祝いのスピーチを結ばせていただく。
 (創価文化会館)

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