Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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練馬、町田、飾区合同総会 広布に徹す福徳は三世に

1988.11.3 スピーチ(1988.5〜)(池田大作全集第71巻)

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15  大聖人が辧殿べんどの(六老僧の一人となった日昭)に与えられた御手紙に、次のように仰せである。
 「さぶらうざゑもん三郎左衛門どのの・このほど人をつかわして候しが、をほせ給いし事あまりに・かへすがへすをぼつかなく候よし、わざと御わたりありて・きこしめして・つかはし候べし、又さゑもんどの左衛門殿にもかくと候へ
 ──三郎左衛門殿(四条金吾)から、このほど使いの人をよこされたが、その人を通して言ってきたことが大変心もとなく、心配に思います。そこで、あなた(日昭)が四条金吾のところを訪ねて、よく話を聞いてあげていただきたい。その結果を手紙で、私(大聖人)の方に、知らせてください。また、本人(四条金吾)にも、このむねを伝えてください──と。
 この御文からは、くわしい事情はわからないが、当時、四条金吾は、信心ゆえに、弘教ゆえに、さまざまな圧迫、苦難の渦中にあった。その金吾からの、人を通しての報告を、大聖人は非常に御心配なされ、長老の日昭が早速、金吾のもとをたずね、話をよく聞いてあげるよう指示されている。
 苦衷にある金吾を守らなければならない。問題の本質をきちんと把握して、的確な手を打たねばならない。それを間違うと金吾をあやまらせてしまう、との御心であったにちがいない。
16  人の心は、まことに微妙である。絶えず変化しており、わずかなことをきっかけに、良い方へも、悪い方へも行ってしまう。
 ゆえに、信心の世界にあっても、立場が上になればなるほど、後輩のかかえている問題や悩みを、正しく敏感に察知して、こまやかなうえにもこまやかに、励ましのうえにも励ましをお願いしたい。そして、その人が立派に成長して、信心と幸福の大道を歩み抜いていけるよう尽くしていく。それが先輩としての慈愛であり、使命と責任である。
 その意味で、門下の一人一人を、抱きかかえるように心を尽くされた大聖人の大慈大悲を拝した次第である。
 最後に、これからは、寒さも一段と厳しさを増す時節であり、くれぐれも風邪などひかれぬようご自愛いただきたい。大切な大切な、使命ある仏子である皆さま方の、ご多幸とご健康、そしてご長寿を心からお祈りして、私のスピーチとさせていただく。

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