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日蓮大聖人・池田大作

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第1回茨城県記念総会 学会は人生蘇生の学舎

1988.2.27 スピーチ(1988.1〜)(池田大作全集第70巻)

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15  「常楽我浄」の日々をわが郷土で
 さて冒頭にも「常陸」の名前の由来を述べたが、この「茨城」の地について、奈良時代に編さんされた「常陸風土記」には次のように記されている。
 「それ常陸国は、堺は広大ひろく、地も亦緬沃はるかなり、土壌沃墳うるおい、原野肥衍こえたり、墾発きりひらくの処、人々自得ゆたかに、家々足饒にぎわえり。(中略)いにしえの人の常世とこよの国というは、けだし疑うらくは此の地ならんか」
 たしかに茨城県は太平洋に接する海岸線も長く、土地は広々としている。山地と平野の間をって流れる幾筋もの河川が大地をうるおし、その沃野よくやを切り開いた人々の生活もまた豊かなにぎわいを見せていた様子が、ほうふつと目に浮かぶ。古代の人々が理想郷と考えていた「常世とこよの国」とはまさにこの地であろう、と大地も人も豊かな城の地の素晴らしさが賛嘆され、うたわれている。
 そして我が茨城の友は、この″理想郷″の最高の舞台で、昨年の座談会の発展の姿は全国一の実証を示され、まことに見事な活躍をされているとうかがった。私は皆さまの、その健闘と活躍を心よりたたえたい。
16  さらに、県名となっている「茨城」の由来については、「常陸風土記」の中に古老の説話として述べられている。
 かつて黒坂のみことという武将が、うばら(イバラ)を使ってこの地にはびこっていた悪賊を退治したとも、また蕀で(しろ)を築いてこの地を平定したともいう。こうした故事から「城」(うばらき→いばらき)との名が付いたとされている。
 また「うばらき」とは、茨の生えている所の意、との説もあり、自然の恵まれた風土に野イバラの花が咲き乱れる美しい土地であったともしのばれる。古来より美しい風土をたたえた城の、県の花は「バラ」。県の木は「梅」。そして県の鳥は「ヒバリ」である。まるで万葉集か古今和歌集の世界のような風雅の趣が感じられる。
 どうか皆さまはその理想郷ともいえる茨城の地で、理想的な「人生」と「仏国土」の建設に邁進していただきたい。そして、理想的に生きるための″ホスピス″ともいえる学会の組織の中で「常楽我浄」の人生を送っていかれんことを念願し、私のスピーチとさせていただく。

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