Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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沖縄青年部代表者研修会 限りある人生を悔いなく

1988.2.19 スピーチ(1988.1〜)(池田大作全集第70巻)

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22  さらに大聖人は、次のように述べられる。「かせ給いて・しかりぬべきやうにて候わば・しばらく・かうぬし神主等をば・れへとをほせ候べし、めこ妻子なんどはそれに候とも・よも御たづねは候はじ、事のしづまるまで・それに・をかせ給いて候わば・よろしく候いなんと・をぼへ候」――もしも、神主等を置いていることがあなたにとってまずいようであれば、しばらくこちら(身延の大聖人のところ)へ来るよう、彼らに言ってください。ただ神主の妻子などは、そちらに置かれていても、決して捜されるようなことはないでしょう。事が静まるまで、そちらに置いていただければ、と思います――。
 まことにこまやかな、大聖人の心遣いであられる。社会の状況を的確に踏まえ、一人一人の立場や境遇をこまやかに配慮されつつ、今後の在り方を示されている。そのうえで、自らタテとなり、門下を厳護されている。まさに御本仏の大慈大悲の御振る舞いであると拝せよう。
 事実、こうした大聖人の心配りと激励を受け、広大無辺の大慈悲に守られながら時光も、神主も見事に難を乗り越え、信心を全うすることができたのである。
 もとより次元は異なるが、私ども広布のリーダーもまた、尊き仏子を厳然と守り抜いていかねばならない。それが妙法の指導者の第一の責務であり、使命である。
 それは、口先だけの指導でできることではない。現実に苦悩し、救いを求めている友は数多い。しかし、理屈をいうのはたやすいが、それで悩める友を救うことは、決してできない。本当の広布の戦いは、そんな安易なものではない。
 泥沼のごとき現実社会のただ中にあって、民衆とともに懸命に動き、祈り、心を砕きに砕いてこそ、リーダーは、真実の広布の大道を開き、その責務を果たすことができるのである。皆さま方の先輩は皆、それを行動してきた方々である。ゆえに今日の広布の盤石な基盤ができたことを決して忘れてはならない。
23  大聖人は、次のようにも仰せである。「一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候」――一切のことは、国により時による。仏法を行ずる者は、この道理をわきまえていくべきである――と。
 今回の東南アジア歴訪に際しても、私は、この点に最も留意しながら、行動し、対話してきた。会員の皆さま方が安心して活動に励めるよう、力を尽くし、最大に心を配ってきたつもりである。また、これまでの歩みにおいても、すべて同様であった。
 この四十年間、あらゆる人々が幸の大道を歩み、国土も、時代も、未来も限りなき繁栄へと開けていくよう、御聖訓のままに、私は心を尽くしに尽くし、走りに走ってきたつもりである。私のこの「心」を、最も大切な青年部の門下に、確かに託し、本日のスピーチとしたい。

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