Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

沖縄広布35周年開幕記念総会 ″永遠の大法″で永遠の幸福を

1988.2.18 スピーチ(1988.1〜)(池田大作全集第70巻)

前後
24  題目の光は、全宇宙にとどく。大聖人は、法華経序品の「下至阿鼻地獄げしあびじごく」の文について「御義口伝」で、こう仰せである。
 「今日蓮等の類い聖霊を訪う時法華経を読誦し南無妙法蓮華経と唱え奉る時・題目の光無間に至りて即身成仏せしむ、廻向えこうの文此れより事起るなり」。
 ――いま日蓮大聖人および、その門下が、亡くなった人に対して、御本尊を信じて法華経を読誦し唱題して追善する時、題目の光が無間地獄に至って、即身成仏させることができる。回向の原理は、ここから起こったのである――と。
 妙法の力は、生前、信心に全く無縁であった先祖であっても同様に救っていくことができる。「法華不信の人は堕在無間なれども、題目の光を以て孝子法華の行者として訪わんにあに此の義に替わる可しや」と。
 ――法華不信の人は、無間地獄にちて苦しまなければならない。しかし、孝行の子供が妙法受持の信仰者として題目の光を送って供養していくならば、同じく回向の原理で「抜苦与楽ばっくよらく」できるのである、と。
 沖縄の地には、ある意味で、どの地よりも、苦しみぬいて亡くなった方々が多いといえる。生命は永遠である。その方々の死後の生命を断じて救ってあげなければならない。
 皆さま方がその方々のことを胸に浮かべて御本尊に唱題する時、「くう」の状態のまま苦悩する生命の地獄の「苦」を、どんどん抜いていける。そして、仏界の慈光であるゆえに、限りなく「楽」を与えていくことができる。
 その慈悲の回向は、題目による以外に絶対にない。私も祈る。皆さま方も祈ってあげていただきたい。
 沖縄の地に眠る、そうしたすべての方々を「抜苦与楽」していくことによって、この国土の福運をも増してゆく。いかなる国土も、妙法の光で包み込み、仏国土へと変えていける。これが法華経の「三変土田さんぺんどでん」に通ずる法理である。
 国土の宿命をも転換しゆく、この真実の「平和」と「繁栄」の大原理は、他の政治や科学や経済等の形而下けいじかの次元にはない。ただ妙法による以外にない。
 皆さま方は、この大法を行じ弘めつつ、愛する沖縄の「平和」と「繁栄」の金の″柱″の生涯であっていただきたい。
25  本日は女子部の方々も多く出席されておられる。青年部の皆さま方が、私は大事である。また、かけがえのない一生を悔いなく送ってほしいと、心の底から願い、祈らずにはおられない。
 その意味から、昭和二十八年の戸田先生の指導を紹介しておきたい。七月に行われた女子青年部結成二周年の記念総会の折であった。ちょうど三十五年前である。
 「きょうから、みんな出発するのです。三十五年後の姿を想像してごらんなさい。結婚して病気のために苦しい思いをする人や、あるいは夫のために、子どものために苦しむ人もありましょう」「どうあろうとも、いちおう宿命はきまっている」「しかし……絶対に御本尊様から離れないことである」「われわれの生命を動かすものが、信心である。ゆえに御本尊様を拝めば、宿命を転換することができる」――。
 すなわち、ある程度、根本の宿命は決まっている。努力次第で、すべてを変えられるわけではない。しかし、その宿命を動かし、生命を動かす力が信心にはあるとの戸田先生の叫びである。
 さらに「宿命は、それぞれみな違ったものをもっている。しかし、こうなりたい、ああなりたいと思う方向へいけるのが『妙法』なのであります。
 信心によって、自分のいきたい方向へ十分いけるのです。こう教えておきますから、六十のおばあさんとなったとき、右を見ても、左を見ても、恥ずかしくないように、人生、宿命と取り組んで、信心に励まれることを望みます」と。
 そして「みんないっしょに出発して、六十のおばあさんになった姿をくらべようではありませんか」と指導を結ばれている。
 私も、この戸田先生のお心と全く同じである。若き乙女は、これから長い一生である。目先のことで信心を見失い、御本尊から離れては絶対にならない。また広布へ進む、よき友と離れては人生の損失である。皆さま方お一人お一人の、晴れ晴れとした前途のご多幸を、何よりも、また誰よりも祈りつつ、本日の新たな出発の日に当たり、この戸田先生の指導を、はなむけとしたい。
 先ほど申し上げたように、私は「沖縄健児の歌」が大好きである。
 今、この歌、特に「打ちくだかれし うるま島 悪夢に目覚め 勇み立つ 伝統誇る 鉄拳てっけんは……」との歌詞を聞くたびに、若き妙法の友の信心の力によって、この沖縄の地も大いなる宿命転換を成し遂げ、無限に強き未来が開けていくように感じられてならない。沖縄健児の偉大な成長とともに、沖縄の前進、発展があり、未来は大きな希望に輝いていくにちがいないと確信し、私のスピーチとしたい。

1
24