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日蓮大聖人・池田大作

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予兆と対応 治療の時代から予防の時代へ

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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11  老化で悪いのは無関心
 池田 そこで、もう少し具体的にうかがいたいのですが、高齢者の健康維持は、どんな点を注意すればいいですか。
 豊福 一つは筋力を落とさないことです。
 足の筋力が落ちると、つまずいたり、転んだりしやすくなります。おなかや背中の筋力が弱まると、腰痛も現れます。
 池田 筋力を保つには、何が大切でしょうか。
 森田 自分でできる日常のことは、自分でやる。そう心がければ、必要な筋力は保たれます。
 池田 散歩やラジオ体操など、適度な運動も大切ですね。
 豊福 はい。もう一つのポイントは「生きがい」を持つことです。長寿や認知症予防に不可欠であると、医学的にも証明されています。
 浅川 たしかに何かに打ち込んでいるときは、心身が生き生きとします。
 池田 「張り」を持ち、何かに真剣に取り組んでいくことですね。
 フランスの作家アンドレ・モロワは語っています。
 「老化にともなういちばん悪いことは、肉体が衰えることではなく、精神が無関心になることだ」(『人生をよりよく生きる技術』中山真彦訳、講談社学術文庫)と。
 「攻めの人生」というか、何かに挑戦する。希望に向かって進むことが大切です。
 浅川 「人づきあいがいい」というか「交際が広い」といった、周囲との積極的なかかわりも長寿者の要件です。
 森田 そうですね。自分の世界が、大きく広がる。人生を、何倍にも楽しむことができます。
 池田 世界的な経済学者であるガルブレイス博士も、私との対談で言われていた。「年配者の最大の誤りは、仕事から引退してしまうことです。やるべき仕事がなくなれば、肉体的な努力と精神的な努力をなくしてしまう。とくに、精神的な努力を止めることは、非常によくありません」(『人間主義の大世紀を――わが人生を飾れ』潮出版社)
 いわんや、私どもの信心に、「引退」はない。広布の活動は、生命力を増す。「最高の精神闘争」です。生命の根本的な健康法とも言えるのです。

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