Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

腎臓病 腎臓は体内浄化の工場

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

前後
8  最近増えている糖尿病性の腎障害
 池田 ほかに腎臓の病気には、どういうものがありますか。
 藤乗 「ネフローゼ症候群」というのがあります。糸球体の障害で、一日三・五グラム以上の多量のタンパク尿が出て、血液中のタンパク質・アルブミンが減少し、むくみがひどくなるのが特徴です。小児では、微小変化群といって治癒しえるものが多いですが、成人の、ネフローゼは治療がむずかしく、厚生省の指定する「難病」の一つにあげられています。
 成見 また最近、とくに増えて、注意が必要なのが「糖尿病性腎症」です。これは、長く糖尿病にかかっている人に見られ、糸球体の毛細血管に障害が起き″ろ過器″が故障します。その結果、タンパク尿が出たり、腎不全になったりします。新たに透析を適用する患者のいちばん多い原因は、糖尿病となっています。
 池田 「腎結石」というのもありますね。
 藤乗 はい。いらない尿の成分が固まり、石のように硬くなったものを結石と言います。結石のある場所が腎臓であれば「腎結石」、腎結石が尿管に落ちてくると「尿管結石」です。
 池田 結石の痛みは、「痛みの王様」と呼ばれているそうですね。
 森田 そうなんです。とくに石が尿管に入ると腰からわき腹にかけて激痛が起こります。まさに七転八倒の痛みです。血尿も出ます。
 成見 予防としては、十分に水分をとるよう心がけることです。
9  予防のポイントは血圧、体重の管理――疲労・寒冷も要因に
 池田 腎臓病の予防や治療のポイントは何ですか。
 藤乗 一般に腎臓の働きを悪くする生活上の要因としては、(1)風邪*(2)疲労・ストレス*(3)寒冷、があげられます。
 成見 先ほども話題になったように、腎炎などは風邪をきっかけに発病したり、悪化や再発をしたりします。
 また、疲れやストレス、寒さは、腎臓の血液の循環を悪化させます。
 藤乗 ですから安静と保温が非常に大切です。また、夜ふかしや睡眠不足に注意することです。
 池田 運動はどうですか。
 藤乗 適度な運動はいいと思いますが、腎臓病の人は、マラソンなどの激しい運動はさけてください。とくに年配者は注意が必要です。
 森田 「血圧の管理」は腎臓病の予防と治療に欠かせません。血圧が高いと、腎臓の機能に負担がかかりますから、つねにコントロールする必要があります。
 成見 腎臓病は、高血圧や糖尿病、肥満など、その他の生活習慣病と深い関係があります。ですから血圧とともに体重のコントロールも大切です。
10  塩分・タンパク質をとりすぎない
 池田 腎臓の悪い人は、食生活で注意する点はありますか。
 藤乗 まず塩分を控えることです。塩分をとりすぎると、体内にナトリウムが多くなり、水分をためこみやすくなります。また血圧も高くなります。
 成見 タンパク質も、控えめにしてください。ただ体に不可欠な栄養素なので、減らしすぎもよくありません。
 森田 腎臓の病気の場合は、治療は長期にわたります。また病気のタイプや、症状の程度によって治療の内容も変わってきます。信頼できる専門の医師と相談してほしいと思います。
 藤乗 何度も繰り返すようですが、自覚症状がなくても、定期的に尿検査などを受けることが第一です。
 池田 冒頭、「五臓」の話をしましたが、仏法ではこの「五臓」を「五大」と対応させる場合があります。五大とは、一切の現象は「地・水・火・風・空」の五つの要素からなるという世界観です。そして日蓮大聖人は、「今阿仏上人の一身は地水火風空の五大なり、此の五大は題目の五字なり」――年はますます若くなり、福運はますます重なっていくでしょう――と説かれています。
 妙法を根本にした信心即生活は、五臓をはじめとした「生命という小宇宙」を生き生きと働かせます。「妙法の軌道」こそ、根本的な「健康の軌道」であり、「幸福の軌道」なのです。

1
8