Nichiren・Ikeda
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歯
生きぬくカの象徴
「健康対話」(池田大作全集第66巻)
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13 「正しい磨き方」とは――歯磨き粉は少量でいい
池田 歯ブラシは、どのくらいたったら交換すればいいのですか。
森田 愛着があるのか、長い間、一本の歯ブラシを使っている人も、いるようですね。(笑い)
佐藤 それで磨くと、かえって不衛生です(笑い)。一カ月に一本が目安です。毛先が広がってしまうと正しい歯磨きができないので、こまめにとりかえて清潔にしてください。歯間ブラシや糸楊枝(デンタルフロス)を補助器具として使うと、効果的です。
池田 歯磨き粉は、どのくらいつければいいですか。口の中をアワだらけにしないと磨いた気がしないという人もいます。(笑い)
佐藤 少量でかまいません。たくさんつければ爽快感はあるかもしれませんが、「磨いた」つもりで「磨けでない」ことが多いのです。
豊福 最近は、いろいろな酵素が入ったものが売られていますね。
佐藤 最近、種類も増えています。ですが歯磨き粉は、あくまでも補助的な手段なんです。「磨いて歯垢をかき落とす」ことが根本です。
14 歯一本で十回以上、ブラシを振動
池田 それでは、「かき落とす」ためには(笑い)、どんな磨き方がいいのですか。
佐藤 まず外側の歯は、毛先を歯の表面に対して直角に当てます。ほとんど毛先を動かさないようなつもりで、「左右に」小刻みに動かしてみてください。
一本の歯につき十回から二十回くらいの振動が目安です。内側の歯は毛先を約四十五度に当てて、外側と同じように磨いてください。
豊福 コツをつかむまでは、鏡を見ながら磨いたほうがいいかもしれませんね。歯ブラシの当たり方もわかりますから。
佐藤 歯ブラシの毛には、「つま先(歯ブラシの最上列)」「わき(歯ブラシの左端縦一列)」「かかと(歯ブラシの最下列)」といった部分があります。それぞれを使い分けることが必要です。
たとえば、「つま先」は奥歯の聞を磨くときに、「わき」は歯が重なって生えている部分などで縦にして使います。
また前歯の内側は、「かかと」を当てて、歯ぐきとの境目から、歯の先に向かってすくい上げるようにしてください。
豊福 いろいろな使い方があるのですね。ところで、虫歯や歯周病を放っておくと、心内膜炎という心臓の病気になることもあります。
森田 また高血圧、狭心症、心筋梗塞、糖尿病などの人は、歯の治療に注意が必要です。必ず歯科医と相談してください。
15 法華経にも「歯が美しくなる」と
池田 法華経には、「歯は垢即敢ならず、黄ならず疎かず、亦た欠落せず、差わず曲らず」(法華経五二二ページ)とあります。妙法の教えを聞いた人は、その功徳で歯も健康になると説いています。
戸田先生は、この文は正法を広める功徳を示したものであると言われた。「肉体においても健康であって、かつ、立派にして器量よく、なるというのである。御本尊を信ずれば病気がなおるという文証がこの文である。また事実として純真なる信心をする者は、その人相がたいへんよくなっているのである」と。
たしかに、そのとおりです。顔は、いわば自分の看板です。その焦点の一つが、歯であり、口元と言えるでしょう。美人の代表と言われる楊貴妃のことを、中国・唐代の大詩人である杜甫は、「明眸皓歯」と表現しました。「目が澄んでいて、歯が白い」という意味です。(前野直彬注解『唐詩選』上、岩波書店、参照)
それくらい、歯はポイントだったのです。
森田 欧米の雑誌でも、やはり美しい歯の人が表紙を飾っていますね。
池田 日本人の歯への意識は、まだまだ、これからかもしれませんね。ともかく、健康は「自分でつくるもの」です。そして健康な歯を持つことは、心身ともに健康で、長寿であることにつながります。正しい歯磨きを続け、口元からさわやかなメロディーがあふれ、朗らかな笑顔がこぼれるような毎日でありたいものです。