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日蓮大聖人・池田大作

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血圧 生命を支える「血液の流れ」

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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9  「声を出す」ことの効能
 池田 ほかに参考になることはありますか。
 森田 じつは、「読経」も、ストレスを解消し、血圧を下げる効果がある、と言われています。
 池田 それは、とくに壮年部に教えてあげたい。(笑い)
 森田 私も壮年部ですが……。(笑い)
 勤行・唱題によって生命力が強くなることは当然として、正座して背筋を伸ばし、腹式呼吸することは、医学的にも健康によい呼吸法の一つとされているんです。
 豊福 呼吸機能が活発になれば、″血のめぐり″もよくなります。
 また声を出すことは、ストレス解消にもなります。
 池田 唱題の声は、大きすぎたり、小さすぎたりせず、さわやかに白馬が駆けるようなリズムでありたい。自分自身が南無妙法蓮華経なのだから、自分自身の生命のリズムを、じっくり整えるつもりで、心豊かに行うことです。
 森田 前にも、話題になったように、高血圧には「激しい温度差」に対する注意も必要です。
 池田 とくに年配の方は、風呂あがりやお手洗い、寒い季節に外に出たときに倒れる場合が多いと聞きます。
 豊福 交感神経が緊張して末梢の血管が収縮し、一気に血圧が上がるのです。
 池田 浴室と脱衣場との温度差を小さくするなどの工夫も考えられますね。
 森田 お手洗いも暖かくしたほうがいいと思います。
 池田 また寒いときに外出するさいには、「これから寒い外に出るんだ」と、はっきり意識してから出ることです。
 そうすれば、体が寒さに対して準備する。いきなり、ぽっと出てしまうのが危ない。
 豊福 最近は、冷房が完備され、夏でも屋内と屋外の温度差が大きくなっています冷房のきいた部屋では、重ね着するなど保温を心がけることも大切です。
 池田 仏法では「賢きを人と云いはかなきを畜といふ」と仰せです。これは、「病気の原因を知らない人が病気を治療すれば、いよいよ病気は倍増するであろう」との指摘です。
10  低血圧の人は「無理なく」「むだなき」毎日を
 池田 「低血圧」で悩んでいる方もいますね。
 豊福 はい。「血圧が低いせいか、どうも朝が弱くて」という声をよく聞きます。
 森田 医学的には「低血圧だから、寝起きが悪い」とは、必ずしも言えないのですが。(笑い)
 池田 そうすると今後、遅刻の言いわけには使えないね(笑い)。低血圧にも、いくつかタイプがありますか。
 森田 一つは、何らかの病気が原因でなる「症候性低血圧」です。
 豊福 次に、「起立性低血圧」があります。急に立ち上がったりすると、血圧が下がって、めまいや立ちくらみを起こすものです。
 池田 何が原因ですか。
 森田 本来、人体には、「姿勢の変化による血圧の変動を、うまく調節する機能があります。低血圧の場合は、この調節がスムーズにいかないのです。
 豊福 症候性・起立性低血圧は、神経系や内分泌の病気、糖尿病、降圧剤の副作用などが原因です。
 池田 なるほど。
 森田 もう一つが、原因のわからない「本態性低血圧」です。大半の人が、これに当たります。
 豊福 遺伝的な要因や環境、年齢、生理的な要因が関係していると考えられますが、高血圧の人と比べると、脳卒中や心臓病などの危険性が少なく、むしろ長寿の傾向にあるとされています。
11  「さあ働こう!」と朝の出発を
 池田 それでは治療する必要はありませんね。
 豊福 「本態性低血圧」は、これといった自覚症状がなければ、とくに治療の必要はありません。
 森田 ただ現実には、めまいや立ちくらみ、″朝すっきり起きられない″″体力がなく疲れやすい″といった症状の人が多いことも事実です。
 池田 何となく惰性や習慣で夜ふかしし、疲れがとれないまま、朝も寝坊してしまう場合もあるのではないでしょうか
 森田 そうなんです。低血圧の人は、″宵っぱりの朝寝坊″になりやすい。したがって、睡眠や食事など生活の習慣を見直すことが必要でしょう。
 豊福 とくに、朝食をきちんととり、脳の働きが、朝から快調になるように、することです。
 池田 無理なダイエットも危険ですね。
 森田 また適度な運動で、着実に体力をつけていくことも大切です。冷水摩擦、乾布摩擦を続けると、末梢血管の血液の循環がよくなります。
 豊福 どうしても寝覚めの悪い人は、横になった状態で、まず背伸びとか、軽い体操を行うとスムーズに起きることができます。
 池田 時間を価値的に使って早めに休む。そして「さあ、きょうも働こう」と、満々たる意欲で朝を出発する。これが、健康で長寿の生活の基本ですね。「無理のない」そして「むだのない」価値創造の日々でありたいものです。

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