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日蓮大聖人・池田大作

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風邪 「万病の元」だからこそ注意を

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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4  御書では風邪を「風気」と表現
 森田 ところで、なぜ「風邪」というのでしょうか。
 池田 中国の古典によると、「外気」が「邪(気を乱すもの)」となって病気を起こすのを、「風邪」等と呼んだようです。(『西洋医学大事典』参照)
 森田 日蓮大聖人も風邪をひかれたのでしょうか。
 豊福 実際にひかれたかどうかはわかりません。ただ鎌倉時代にも、現在の「風邪」を意味すると思われる「風引き」「風気」等の病名が記録に残っています。
 池田 御書にも、「日蓮鎌倉に罷上る時は門戸を閉じて内へ入るべからずと之を制法し或は風気なんど虚病して罷り過ぎぬ」と仰せです。これは、「病気の原因を知らない人が病気を治療すれば、いよいよ病気は倍増するであろう」との指摘です。
 「風邪の治療薬を発見すればノーベル賞もの」と言われるが、特効薬はありますか。(笑い)
 森田 残念ながら、まだノーベル賞は遠いようです。(笑い)
 池田 病院でもらう薬や、市販の薬はどうですか。
 豊福 現在の薬は風邪そのものを治すのではなく、頭痛、発熱、鼻水、せき、くしゃみといった「症状」を和らげるものでしかありません。
 森田 薬を補助的に使い、保温、休養、水分、栄養を補給して、自分の自然治癒力で治すのが、風邪の基本的な治療法です。
 池田 「休養をとる」ことですね。しかし多忙な現代人には、なかなかむずかしそうですね。
 豊福 無理は事故のもと|――そう銘記して、少しでも早く休めるように努力してほしいと思います。また休めなくとも、体を冷やさないようにして、栄養を十分にとることを心がけていただきたい。
5  「発熱」は防衛反応
 池田 なぜ、風邪のときに熱が出るのでしょう。
 豊福 風邪を治そうとする防衛反応が発熱です。体温が高くなるとウイルスの活動が鈍くなるのです。
 池田 水分の補給は、お茶でもいいのですか。
 豊福 緑茶や紅茶にはカテキンという物質がふくまれていて、ウイルスの感染予防に効果があると言われています。
 池田 アルコールで補給する人もいるようですね。(笑い)
 豊福 卵酒程度ならかまいません(笑い)。アルコールは飲んだ量以上に、水分が尿として排泄され、その後は脱水ぎみになります。
 森田 薬を飲んでいるときのアルコールは禁物です。薬の効果が強くなったり、悪酔いすることがあります。
 池田 お風呂はどうでしょう。
 豊福 入浴は体力の消耗や湯冷めの心配があるので、とくに、熱のあるときは勧められません。
 池田 風邪のときは、どんなものを食べればいいのですか。
 森田 ひき始めは、鍋料理や煮込みうどんなど、体を温めるものが望ましいです。せきが出るときは、豆腐を使った料理やゼリーなど、のど越しのよいものを。鼻がつまっているときは、温かい雑炊やうどんなど、湯気が立つものです。
 豊福 熱があるときは食欲がないので、フレッシュジュースやプリン、アイスクリームなどで水分を補給するとよいでしょう。下痢がひどいときには、無理に食べる必要はありません。ただ、下痢、発熱は脱水症状を起こしやすいので、水分だけはしっかりとることが大切です。
 池田 満々たる生命力をたたえ、四大を整える――風邪の予防も、治療も、「心身の調和」をもたらす聡明な生活が根本のようですね。

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