Nichiren・Ikeda
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「進路」が見えない
「希望対話」(池田大作全集第65巻)
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7 まず「一歩」前進する勇気を!
池田 まず、「できるところ」「手をつけやすいところ」から始めるのがいいんじゃないだろうか。
「最初の一歩」が、勇気がいるのです。「〇から一までの距離」は、「一から百までの距離」よりも大きいと言ってもいい。「千里の道も一歩から」です。大切なのは「一歩」を踏み出すことです。
―― たしかに、勉強の場合も、帰宅して最初に机に向かうときって、本当に勇気がいります。だから、簡単な「漢字の書き取り」から始めたり、自分の好きな科目から始めたりと工夫することも大事です。
また、受験勉強の相談を受けると、その人の「一週間」の家でのスケジュールをいっしょにつくってあげるようにしています。英語と数学は短時間でも毎日やったほうがいいとか、苦手科目の時間を多めにしたり。
そうやってスケジュールを埋めていくと、「うわっ、これじゃあテレビを見ている時間はないですね」とか、自分で気がつくのです。
池田 ともかく、「もう手遅れだ」なんてことはない。「今」始めることだ。
勉強でも何でも、本当に「わかりたい」と心の底から思ったら、必ずわかるようになる。
―― 決意しても「三日坊主」になってしまうという人もいますが。
池田 三日坊主でも、かまわない。三日」坊主も、「十回」やれば、「1ヶ月」やったことになる(笑い)。一日でも二日でも、やった分だけ、自分が得をする。
自分が「実力」をつけているかどうかです。人と比べて一喜一憂しても、しようがない。
8 人の三倍やれば必ずできる!
池田 本当の「自信」とは、「あいつよりは自分が上だ」というようなものではない。それは「もっと上」が出てきたら崩れてしまう自信です。そうではなく、「自分は、やるだけのことはやったんだ。『これ以上、やれと言われたって、できない』ところまで、やったんだ」という積み重ねから、真の自信は生まれるのです。
ある大学の総長が、こんな言葉を残している。「他人が一回でできることは、自分は三回やれば必ずできる。他人が三回でできることは、自分は十回やればできないことはない」と。これが「自信」ということです。
―― 「目の前の山」は、受験とはかぎりませんが、ともかく何かの挑戦を始めてこそ、道が開けるということですね。
池田 具体的には、先生とか、先輩に、よく相談してもらいたい。みんな、夢がいっぱいある未来が待っているのだから!
―― 夢をもって、すばらしいですね。
池田 戸田先生が、おっしゃっていたよ。「青年は夢が大きすぎるくらいでいいんだ」と。
みんなにも夢をもってほしい。自分らしい「夢」を。
国だって、その国に、どんな立派な機械があるか、どんな高いビルがあるかよりも、その国に、どんな詩があり、どんな歌があり、どんな絵があるかのほうが、その国の「品格」を決める。国の「幸福」を左右する。
人間だって、その人が、どんな成績なのか、お金持ちなのか、背が高いのかということよりも、心にどんな夢をもっているのか、どんな希望に向かっているのか、そのほうが、よっぼど大切なんです。
9 夢は努力で育つ
池田 そして、夢を育てるものは、努力です。努力すればするほど、夢は大きくなっていく。
「夢」という生きものは、「努力」という食べ物を食べて大きくなるのです。
「夢」という宮殿は、「努力」という地道な石を重ねて、できあがっていくのです。