Nichiren・Ikeda
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痴呆症と励まし
「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)
前後
3 自分が変われば、相手も変わる
佐々木 じつは、小西さんにお話をうかがった数日後、ファクスを送っていただきました。
そこには、「あの後、母の姿を思い浮かべながら題目を唱えました」「(母は)すぐ感情的になって声をあらげる私に、いちばん欠けている本当の優しさを教え、身につけさせようとしているのでは、と思い当たりました」とありました。そう心から感じた翌朝、お母さんを見ると、とても、おだやかで、素直で、気分もよさそうで、イキイキとされていたそうです。
こちらの心が変われば、相手の心も変わっていく――そういうことが、やっぱりあるんですね。
池田 それを「一念三千」というのです。
ともあれ「人生八十年」時代は、始まったばかりです。お手本のない時代といってもいい。ゆえに、勝っていただきたい。お母さんの痴呆とともに生きぬいた勝利の証を残していただきたい。運命を価値に転換していくのです。その人が人間としての勝利者です。王者です。
介護は重労働です。くれぐれも体には気をつけてください。
もちろん、介護は家族の手だけではまかなえないのですから、福祉や社会制度をしっかり確立していくことが必要です。