Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

生涯現役の心意気  

「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)

前後
4  高熱を押しての雄揮の指揮
 松岡 わかりました。深く心に刻みます。
 福本さんにとって忘れられない思い出は、昭和四十四年(一九六九年)の十二月、池田先生が出席されて行われた和歌山の県幹部会だったといいます。
 会合の最後で「武田節」の指揮を執られた先生の姿を克明に覚えており、「まるで鶴が舞いおりたように美しかった。皆がわーっと吸い込まれるようでした」と、述懐していました。
 池田 あの時は、最悪の体調で、熱が四〇度近くありました。肺炎だったのです。熱っぽくて苦しくて、口はカラカラで、唇は真っ白に乾くし、体がぞくぞくと震えて、関西指導の途中に妻に駆けつけてもらった。
 食欲もまったくなく、疲労は限界に達していましたが、和歌山の同志が待っているので、私は行きました。
  和歌山の
    友の魂
      とどめむと
    熱き生命の
      舞の歴史は
 と詠みました。
 松岡 鬼神も哭く、先生の激闘、舞の指揮に、和歌山の同志は連戦連勝の伝統を築きました。
 佐々木 福本さんも、その時の感激を胸に、頑張ってこられました。
 長年、日課として、「聖教新聞」に連載の「きょうの発心」をノートに書き写し、そのノートは七十九冊目になった。最近は、拡大鏡を片手に、先生の長編詩も書き写すなど、「おかげで、転んで骨を折ったこともない。涙流すほど苦労してきたけど、今は天下泰平じゃ!」と笑顔です。
 池田 山を越え、あらゆる苦労を乗り越えて、初めて人生は光るのです。
 牧口先生は、「昔はよかった、ああだ、こうだと、昔の自慢話ばかりする人は、今が悪いという証拠である。その反対に、昔は悪かったと話す人は、今がよい生活をしている人である」と述べられている。この端的な表現のなかに、人生の極理が説かれている。
 仏法は「旭日」の法です。
 「衆罪は霜露の如し慧日能く消除す」(開結七一一ページ)です。すべてを「希望」へと転じ、上昇していけるのです。

1
4