Nichiren・Ikeda
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昭和三十五年(四月)
「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)
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14 四月十五日(金) 曇
次期決戦への、陣列の態勢を考える。
恩師の七回忌を目指して、本門の出発だ。
勝利の連続の四年間でありたい。
昭和三十九年。この年の四月二日と、そして、その年の五月三日の大総会に勝って臨みたい。
戸田会長に、直弟子として育てられたわれだ。訓練に訓練をされてきたわれだ。なんで戦いが恐ろしかろう──ご恩を返す時が来たのだ。
日本の歴史、世界の歴史を創りゆく戦いなのだ。人生にあって、男子にとりて、これにすぐる名誉はなかろう。
戸田城聖先生 弟子 池田大作
五月三日、第三代会長就任式決定。
本部内、次第に多忙になる。
大宮の講義中止。自宅に早目に帰る。
一漁師の子、池田大作、遂に広布の陣頭に起つ。一大事の宿命を知覚するのみ。諸天も、三世十方の仏、菩薩も、護れよかし。
仏の所作ということを、今回ほど深刻に考えたることなし。重大なる今世の修行を、胸奥から、恐懼す。
所詮、大御本尊様を、持ちきることだ。信じ行じきることだ。強盛な信心が一切である。この仏法の力によりて、全てが決定されていくのだ。
15 四月二十五日(月) 曇
二十三日と二十四日にかけ、恩師のご遺族を慰安のため、赤城山麓に旅す。
大滝あり、山に遊ぶ。自然の渓流に山魚を食す。かつては、若き兵士の訓練地と聞く。
本部、静中に動あり。
『日蓮宗門集』──半ばまで読み進む。真剣に教学に励まねばならぬ。大哲学をもたぬ指導者やある。教学なき思想実践家やある。
薫風に吹かれつつ、蒲田駅より自宅へ。
静かにして、明るい、幸せいっぱいのわが家かな。
16 四月二十六日(火) 曇
身体の疲れ、重なる。
本部、静寂のなかに、緊張あり。一日一日、幹部も、真剣になっている。
これからの四年間を、全力を尽くし、勝負を決せねば──。断じて、指揮をとる。
四月度本部幹部──台東体育館。午後六時、開始
新会長の挨拶となる。諸兄諸姉、皆、心から喜んでくれる。私は、人間らしく、青年らしく、今までと少しも変わらず指揮をとる旨、無作の境地で話す。
帰り、T夫妻と新橋にて会食。
心身を鍛えねばならぬことを、痛切に感ずる。
五月より、わが本門の活動か。