Nichiren・Ikeda
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昭和二十九年(六月)
「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)
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25 六月二十九日(火) 雨
朝、先生より叱られる。われながら、実によく叱られる―――。
弟、一年ぶりに来る。Iレストランにおいて会食。可哀想でならぬ。
記念に万年筆、定期券入れと、小遣いをあげる。
午後、支部長宅にて、今夜実施する教学試験・口頭試問の予行練習をしてあげる。わが支部より、幾人パスすることやら。
試験に臨んでも、不断に勉強し、実力ある人は、やはり強い。
教学なき者は、将来の立派な指導者になれぬことを力説する。
わたしは、試験はいらないと思う。しかし、時代は、試験制度を必要としている。
大学の試験の合格者のみが偉いのか―――。学会の教学試験に合格せし人が幸福か―――。
所詮、生涯にわたる人生で実験し、明確に-証明するのみである。
六時―――本部。口頭試聞が実施さる。
自分の担当は、杉並、大阪支部関係であった。受験者計二十六名。
最終教授会の席上、S助教授の採点に関し、先生より厳しく叱られる。私は、ありのままに正しく採点せり。先生は、立派な大将に成るためには、もっと幅広く採点せよと。
―――自分が真面目すぎるのか。当然の事と吾人は思っていたが―――。
淋しく、一人わが家へ。十一時を過ぎている。
26 六月三十日(水) 曇時々俄雨
蒸し暑き日であった。
開襟シャツに着替える。開襟は活動的である。国会も、国連も、すべての官庁も、これにしたら、じつによいと思う。
世界的に、これからの時代は、必ず一年ごとに、形式は不必要となるだろう。
私も、一段と成長せねばならぬ。安易な考えで、いつまでも子供であってはならぬ。
未来の世界が、単純な世界でなきこと明白である。そのためにも、更に苦労し、鍛え、修行せねば‥‥。
客観世界からの響き、自己の苦悩の波、―――転々、自己の信念も、ややもすれば失いかける。
われは若い。未熟だ。青い。
非常に疲れ、大幹部会休む。叱られることであろう。学会一わがままな自分を猛省する。
銭湯に行く。帰りにすしを食ぃ、おやじさんと種々語る。信心を欲している様子。
早目に床に入る。野口米次郎を読む。
明日は七月である。
覚悟をさらに決めて進もう―――。