Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十五年(五月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

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21  五月二十九日(月) 晴
 恩沢普く潤し慈被すること外なく、苦の衆生を摂して道跡に入らしめん。(無量義経)
 人生の船出して、二十年。本年も、早半ば過ぎ去る。本年の、しのぎよき季節となる。
 青年―――何と頼もしき言葉であろう。この言葉の如く、意義ある、そして、思い出に満ちみちた、青年時代を進もう。
 吾人の使命はなんぞ。広布の人材になることに尽きる。文豪もよし、大政治家もよし、大実業家もよし。若き生命力の有らん限り、ただ、今日の山に向かって、進むことだ。活躍することだ。
 そしる者には、そしらせておけ。笑う者には、笑わせておけ。そんなものが何だ。
 吾人を、照覧するものは、大聖人様あるのみ。
 小善に、死すること勿れ。大善に生きよ。
 人の為、世の為、法の為に。
22  五月三十日(火) 小雨
 只一心に信心おはして霊山を期し給へ、ぜにと云うものは用に・したがって変ずるなり、法華経も亦復是くの如し、やみには燈となり・渡りには舟となり・或は水ともなり或は火ともなり給うなり、若し然らば法華経は現世安穏・後生善処の御経なり。(弥源太殿御返事)
 久しぶりに、床屋にゆく。
 先生の事業、なかなか大変の模様。膚にひしひしと感ずる。
 本有常住。いかなる心で、苦しむも、泣くも、喜ぶも、同じだ。
 吾人は、進む。火宅の中を。大敵に向かおうが、決然と。
 これが、真実の吾人の取る、唯一つの道だ。
 御本尊様、照覧あれ。
 母のことを、念う
23  五月三十一日(水) 小雨
 汝等、当に共に一心に精進の鎧を被、堅固の意を発すべし。(法華経従地涌出品)
 新緑の五月は過ぎぬ。涼しい日であった。身体の具合、少々良好。此の調子で頑張ろう。大馬力をかけて。
 明日より、六月。青葉、若葉の薫り、床しき律動の青月。人生なれば、青春。ああ、心は、躍らん。心は、弾まん。若人の活躍の月だ。
 過去は夢なり。未来も夢なり。過去の夢は、月の如く寂にして、情火は燃えぬ。未来の夢は、太陽の如く、朝日の如く、曙光と感激の溢るる夢が生ずる。
 青年は、未来の夢を追って、生きねばならぬ。
 『富士宗学要集』全十一冊を購入。金、三、五〇〇円也。

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