Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第四章 本因本果 信心で開く永遠の仏界・無限の菩薩行

講義「開目抄」「一生成仏抄」(池田大作全集第34巻)

前後
8  では、この大聖人の仏法において、「無始の九界」とは、どのようなことでしょうか。
 それは、九界の衆生が、その生命を支配していた無明を打ち破った時の生命だと拝せられます。その生命から仏界の働きが起こるので、「仏界も無始の九界に備りて」と仰せられているのです。
 その無明を破るのが「信」です。何に対する信かと言えば、永遠の妙法への「信」です。万人が、その「信」を立てることを可能にするために大聖人が顕されたのが、御本尊と唱題です。
 大聖人は「義浄房御書」で、寿量品の「一心欲見仏不自惜身命」(法華経490㌻)の文によって御自身の仏界を成就されたと仰せです。(御書892㌻)
 そして不自惜身命の信心とは妙法蓮華経への信であることを示されたうえで、「一心欲見仏」を「一心に仏を見る」「心を一にして仏を見る」そして「一心を見れば仏なり」と三回、転読されて、御自身の仏界成就を説明されています。
 最初の二つは因で、信心の一心を表し三つ目の「一心を見れば仏なり」は果で、仏界成就の一心を表していると拝することができる。信心の一心に本因本果が成就するのです。
9  以上のように「無始の仏界」「無始の九界」が明かされてこそ、無常の九界と永遠の仏界との断絶を乗り越え、両者が一致できるのです。そこに、本当の意味で十界互具が成り立つのです。十界互具が成り立てば、一念三千も成り立ちますゆえに「真の十界互具・百界千如・一念三千」と言われているのです。

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