Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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地平に昇る太陽  

「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第22巻)

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3  友情の絆は、家族間のつながりや同じ地域に住む者同士の関係とは異なる。血縁や地縁のような、言わば与えられた関係とはちがい、友情とは、みずから求め、進んで作り上げるものであり、互いに努めて磨きつづけなければ先細りになり、やがては消えてしまうものである。
 しかし、なおかつ強く、美しい友情は、ときに、人種や国境を超えた広がりさえもつものである。その意味で、交友関係とは人間の生き方の浅深、主体性、創造性を最も赤裸々に映し出す鏡であると、私は感じている。
 ある著名な文学者が、「なにを言っても誤解されない、というのが本当の友人である」と言っていた。長い交友の過程には、当然のことながら、不信という亀裂の生ずることもあろう。しかし、信頼とは、他に対して先に求めるものではない。相手の人間性の本性への深き信頼感をまずみずからが持ちつづけるうちに、真の友人は得られるであろう。
 仏法は信を根本としている。釈尊の弟子で智慧第一といわれた舎利弗でさえ、信をもって悟りに入った。
 その信を磨くために「善き友」と交われ、と説きつづけた釈尊の言葉は、人間の弱さも強さも知り尽くした、達人の言として私には響くのである。

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