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日蓮大聖人・池田大作

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小鳥の知恵  

「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第22巻)

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4  話は変わるが、アリストパネスの喜劇『女の平和』をご存じの人も多いだろう。当時はペロポネソス戦争の最中で、アテナイとスパルタの覇権争いは、いつはてるともなく、人びとの生活は困窮をきわめていた。そこで、意を決したリューシストラテーという一女性が、敵味方を問わず、女たちに呼びかけて、性的ストライキに訴える。音をあげた男たちが、ついに白旗を掲げ、両国間に平和が成立する──という、すこぶるユーモラスな発想と展開なのである。平和主義者・アリストパネスが、切なる願いをこめたものであった。
 奇想天外と言うなかれ。いま開かれている国連軍縮特別総会で、国連の名物男として知られるサウジアラビアの代表が「戦争を始めるかどうかは、母親の投票に問う」との提案をしている。会場は苦笑につぐ苦笑であったそうだが、私はさわやかに聞いた。国益と支配欲しか念頭にない、権力者流の駆け引きなどにくらべて、平和に資すること、よほど大であろう。

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