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日蓮大聖人・池田大作

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中国の近代化に駆ける科学者 周培源・北…  

「私の人物観」(池田大作全集第21巻)

前後
4  本年(一九八〇年)四月、私は五度目の訪中に赴いた。
 とのとき、これまで積みあげてきた協議のうえに成った、北京大学と創価大学との学術交流に関する議定書に調印するという、記念すべき出来事があった。海外学術交流に活躍される周学長は、このときは訪米中であった。季羨林きせんりん副学長から「お会いできなくて残念です」との伝言をお聞きした。議定書の署名個所には、不在の周学長のサインが先に書き込まれてあった。その傍らに、私は自署した。
 それから四か月後、早くも北京大学からは顧海根こかいこん劉振泉りゅうしんせんというこ人の教官が、日本語研修のために創価大学へ派遣されてこられている。私も先日お二人に会って、周学長のお元気な様子などを懐かしくうかがうことができた。
 創価大学からも二人の学生が先方へ交換留学生として交流の第一歩として派遣されていった。
5  中国の近代化――。その未来構図は、決して単線的なものではあるまい。さまざまな困難があろうし、それだけ周学長の双肩にかかる責務は重いといわねばなるまい。
 周学長は、四十七歳のときに新中国の成立に出合っている。旧い中国も、新しい中国もつぶさに経験しているその近代的な頭脳を熱く埋めているものは「余生のすべてをわが祖国のために」という決心であろう。
 さる三月には、中国科学技術協会主席に選任されて、いま七十八歳。ますますお元気な、あの爽快な笑顔に、また接したいものである。

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