Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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勇気と確信と希望  

「私はこう思う」「私の人生観」「私の提言」(池田大作全集第18巻)

前後
2  生意気のように思われるかもしれないが、私は、かつて「一国の盛衰、時代の消長は、青年の自覚の有無と、その動向のいかんによって、大きく左右されることは論をまたない。(中略)しかし、そこで絶対に忘れてはならないことは、必ず偉大なる理念と、良き指導者のもとに、その建設が成就されてきた事実である。その理念、指導者の存在なくば、いかなる時代の青年も、その熱と力を徒労に帰し、かつ誤れる思想、指導者に従えば、業火、動乱の方向へ、怒涛のごとく進むものである」と述べたことがあった。今から十年前に書いた一節である。その理念、哲学、指導者を求めることは、まったく各人の自由である。ただ、私は、今の為政者が、青年に何も与えられぬことを悲しむ。また彼等は吾々国民をいかなる方向にもってゆくつもりかを、監視せねばならぬ。いつまでも、無責任な、太平ブームが、世界の潮流からみて、許されるとは思わないからである。
 さらに、私は、青年の価値は、勇気と確信と希望であるということを実感している。青年の勇気ある実践は、あらゆるものを創造していく根源である。そして、その勇気を支えていくものは確信であるといえまいか――。社会をみるに、確信なき人がいかに多いことであろうか。ひたすら他人に迎合し、付和雷同するばかりの人生は、泡沫に等しい。確信には、逡巡はない。迷いもない。しかして、その確信は、自らの使命と、責任を全うしきる実践のなかから生まれるものだ。また希望なき人生、未来をもたぬ青年は、生ける屍に等しかろう。さらに、人生で最も優れた人とは、青年期にもった理想、青年時代に築いた夢をば、一生涯貫き通してゆける人だ――。
 青年は一国の宝であり、次代の世界の財産である。この財宝に勝る力はない。これらの青年の未来を蝕み、生気を奪い去るものは、まさに財宝を海に捨てるごときであろう。ましてや、戦争等に追いやり、あたら若き生命を断たしめるがごとき指導者は、極悪人であると言わざるをえない。
 私は青年が好きだ。青年の成長が、最もうれしい。英知と、平和と、幸福に、育ちゆく姿を見ると、心はずむ思いがする。私もまた、生涯、青年とともに歩み、青年の息吹を貫き通してゆきたいと念願している昨今である。そして、やがて私たちの築いた土台の上に、次々と、青年が世界の平和と、文化の創造に雄飛していってくれることが、唯一の願いであり、最上の喜びである。

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