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日蓮大聖人・池田大作

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6 仏教とキリスト教の交流  

「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)

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7  池田 そのとおりです。利他にこそ仏教の本質があることを、多くの大乗経典は、くりかえし説いています。小乗教の説いた自己の悟りのみにとらわれている弟子たちを、大乗経典では「おまえたちは永久に成仏できない」ときびしく叱っているのは、このあらわれです。維摩経では大乗在家菩薩というべき維摩詰が文殊師利菩薩に、「あらゆる衆生に病いがあるかぎり、それだけ私の病いも続きます」(『改版 維摩経』長尾雅人訳注、中公文庫)と述べたことが叙述されています。
 この大乗の利他の精神とは、狭い自己中心の殻を打ちやぶって、他人の苦悩をわが苦悩と感じ、さらに他人の幸福を自分の喜びとしていく“慈悲”の立場、その実践をいっているのです。そこに、人間が人間らしくあるために、永遠に忘れられてはならない根本的戒めがあるといえましょう。
8  ルドルフ・オットー
 (一八六九年―一九三七年)ドイツのプロテスタント神学者。インド宗教の研究をとおして、宗教は人間にとって神秘的、非合理的な戦慄すべきところに本質がある、と分析。主著は『聖なるもの』。
 ハインリッヒ・デュモリン
 (一九〇五年―九五年)神学者。上智大学教授を歴任。『禅―歴史と形態』を五九年に刊行。
 上田閑照
 (一九二六年―)宗教哲学者。京都大学名誉教授。著書に『禅仏教―根源的人間』など。
 増谷文雄
 (一九〇二年―一九八七年)元日本宗教学会会長。東京外国語大学教授をへて都留文科大学学長。著書は『仏教とキリスト教の比較研究』他。
 西谷啓治
 (一九〇〇年―一九九〇年)宗教哲学者。京都大学、大谷大学教授を歴任。著書『現代社会の諸問題と宗教』他。
 峰島旭雄
 (一九二七年―)早稲田大学教授。著書『宗教と哲学の間』『浄土教思想の比較宗教哲学的研究』など。
 アンリ・ド・ルバク
 (一八九六年―?)フランスのカトリック聖職者、著述家。リヨン大学宗教史教授。
 パウル・ティリッヒ
 (一八八六年―一九六五年)ドイツ出身の神学者、哲学者。ナチを批判し追われて渡米。ハーバード大学教授など歴任。主著『組織神学』。
 カール・ラーナー
 (一九〇四年―八四年)ドイツのカトリック神学者、著述家。第二バチカン公会議の顧問をつとめる。

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