Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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遺伝子工学の進歩について  

「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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9  つまるところ、問題は、科学の進歩が人間の限りない欲求に起因する人格の危機を助長しているということにあるのではありません。人間の限りない知識欲つまり向上心には、なんら誤りはないのです。私の考えでは、危険は別のところ、すなわち人間の物質的欲求と精神的欲求との間、科学技術進歩の可能性と社会発展の具体的条件との間の調和が破られるところにあるように思われます。科学思想そのものを、あるものは研究してもいいが、別のものは研究してはならないというふうにコントロールすることには同意しかねます。
 私が言いたいのは、科学思想ではなく、科学を社会に応用する方向が人間共通の関心事、そして行動の対象とならなければならないということです。人間理性の無限性を認める楽観主義哲学だけが、すべての人々の幸福希求に根ざした人道主義哲学だけが、科学の今日の成果を活用するさいに生ずる危険を除去するうえで正しい選択をするのを助けることができるのです。

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