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家族について  

「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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2  池田 簡単に一緒になり、簡単に別れてしまう男女があまりにも増えています。家庭が本当の意味での生活の基盤、人生の支えでなくなっています。これは、幼い子どもたちにとってとくに重大な問題です。この点については、後に論じたいと思いますが。
 ログノフ 現代の若者は私たちが生きてきた時代よりもずっと良い環境で生活しています。今の若者は発育が早い(第一に肉体的に)ので、結婚も早くなっています。愛、ロマンス――それはすばらしいことです。しかしまた、間違うのは簡単です。愛と憎しみは紙一重と言います。憎しみは人生における苦しみであり、失望です。ですから、私は若い人たちに言うのです。急ぎなさるな、慎重にやりなさい。愛は必ずやってきます。しかしそれは一シーズンだけ生きるボウフラのようであってはならないのです、と。
 池田 適切で、ユーモアあふれる助言です。現代の若者は「愛」ということをあまりにも気軽に考えているように思えてなりません。愛しているから一緒になる。愛がさめたから別れる。しかし、その間に生まれた子どもはどうなるのか。子どものことだけとってみても、無責任という以外にないケースが増えています。結婚ということには、ただ、二人が互いに、今愛し合っているというだけでなく、これから一緒に生活を営んでいくなかで深まっていく愛なのかどうかということが考えられなければなりません。
 ログノフ 「恋する者のみが人間と呼ぶ権利をもっている」と、わが国の偉大な詩人アレクサンドル・ブロークは言っています。
 私は自分の初恋が小・中等学校の三年生の時だったことを憶えています。今でもその少女の名前を憶えています。もちろん、このことはだれも知りませんでした。彼女自身さえ知らなかったのです。少年特有の内気と同時にプライドがそれを打ち明けることを許さなかったのです。
 人々は早くも子どものころからだれと仲良くしたいか、だれと仲良くしたくないかを直観的に感じ取ります。そしてたとえば、すでに結婚した後に夫婦の間に深刻な対立があることがわかったとします。そのような家庭は存在すべきではないと思います。だからこそ最初の選択が大事なのです。共同生活の第一歩から過ちを直すことが困難な場合があります。ほとんどの場合、傷を癒すことはとても困難なのです。

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