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日蓮大聖人・池田大作

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宗教と社会的価値観  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

前後
10  科学が、経験的事実に基づくレベルでより効果的に作動しようとして、情緒的なものや評価的なものを排除するのに対して、宗教は不可避的にすべてのレベルで同時に作用することを約束します。科学者は、経験的事実の立証と、それらが経験的基礎をもつ理論にいかに関連するかの立証を試みることで満足するでしょう。しかし、宗教者は、それに加えて、それらの事実をいかに評価すべきか、またそれらの事実への対応として、自己の情緒の源のうちどれを呼び出すのが適当であるかを、知らなくてはならないのです。
 人生は決定すべきことで満ちており、したがって、人間は経験的事実に基づく知識以上のものを必要とします。人間は解釈を要求しますが、解釈には、情緒的な対応と価値観が必然的にともないます。宗教の教えの深さが発見されるのは、まさにこれらのレベルにおいてなのです。そして、宗教が、他の知識体系よりも幅広い範囲の体験に関与するのは、まさにこのためなのです。
11  (注1)キルクムケリオ派
 原始キリスト教未来派。北アフリカで社会的・宗教的反乱を起こしてローマ当局に鎮圧されたドナトゥス派の一派。
 (注2)「黙示録」
 ヨハネ黙示録(TheApocalypse)。『新約聖書』の最後の一書。ローマ帝国に迫害されていた小アジア地方のキリスト教徒に慰藉・希望を与えることを目的として書かれ、キリストの再来と新しい神の国の到来、地上の王国の滅亡が近いことが予言されている。
 (注3)ゲーテ(ヨハン・ヴォルフガング)(一七四九年―一八三二年)
 ドイツの詩人・文学者・科学者・政治家。『ファウスト』『ウィルヘルム・マイステルの修業時代』『(同)遍歴時代』『詩と真実』他。
 (注4)ウェルテル
 ゲーテ『若きウェルテルの悩み』(DieLeidendesjungenWerthers.1774)の主人公の名前。

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