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日蓮大聖人・池田大作

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遺伝子組み換えに対して  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

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8  また私は、たとえ素人の委員会であっても、専門的知識をもった人々の十分な協力があれば、事の是非を判断することは可能であると考えております。たとえば、遺伝子組み換え技術の危険性が問題になったとき、ハーバード大学のあるケンブリッジ市の委員会は、適切な判断を下しました。そのときのメンバーは、ケースワーカー(注5)、看護婦、都市政策学教授、建築技術者、伝染病専門の医師、暖房器具商たちでした。この委員たちは、ほとんど毎週のように専門家を招いて勉強し、そのうえで市民として意見を表明したのでした。
 もちろん、このような素人の委員会も、教授の指摘されるように、新たに専門職化する危険性をもっており、これをどのように防止するかは、きわめて大きな問題です。
9  (注1)遺伝子工学
 ある生物(もしくは細胞)に遺伝子操作を施して増殖させ、病気の治療や有用物質の生産その他の工業技術に応用する学問。
 (注2)遺伝子組み換え
 ある生物の遺伝子(DNA)の断片を別の遺伝子断片に組み込んだり、一部を置き換えたりする技術。一九七三年にアメリカ・スタンフォード大学のスタンリー・コーエン博士によって初めて行われた。
 (注3)NIH
 ナショナル・インスティチューツ・オブ・ヘルス(NationalInstitutesofHealth)国立衛生研究所(米国)。
 (注4)P3施設
 遺伝子組み換え実験等によって動植物に感染させた微生物、細菌等が実験室から漏出する恐れがあることに対して、文部省学術審議会が漏出防止のために設けたガイドラインで、規制度を軽い順からP1~P4の四段階に分けている。P1は普通大学の研究室等に適用されるもので、P3の段階では安全キャビネットの設置を義務づけ、外部へ空気が出ないようにする等かなり厳重な規制があり、このランクの実験所・研究所をP3施設という。Pは、Physical(物理的)の意。
 (注5)ケースワーカー
 精神や肉体、また社会的に欠陥をもつ人々の生活環境などを調べて、診断や治療に役立てようとする社会福祉事業に携わる人々。

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