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日蓮大聖人・池田大作

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組織と参加  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

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8  ウィルソン 分権化は、たしかに、諸組織がしばしば陥る硬直化を防ぐ一つの方法かもしれません。特に、地方の指導者が、地元の一般信徒たちから活発な反応を起こすことを絶えず求められる場合が、そうです。分権化を効果あるものにするには、一般信徒の要求するものに共感をもって関与し、そうした要求を察知する資質を地方の幹部にまで普及させることが、おそらく最も大事でしょう。この方針を採るためには、地方の指導層に、組織的でありながらしかも人間味のある、さらなる献身を促すための計画が、それに付随して必要になるだろうと思われます。
 はっきりいえることは、よく組織された宗教運動だけが、そのような努力を活発に推進し、持続しうるということです。しかし、その場合でも、信徒たちを繰り返しその運動に馴染ませ、彼らに人間味を回復させようと絶えず努めることこそ、一つの宗教が常に関心を払って成就すべきものの核心であることは明らかです。
9  (注1)ヒエラルキー(位階制)
 頂点に立つ指導者から順次、下位の者に権威の分与が行われているピラミッド型の権威構造のこと。カトリックと英国国教会は位階制に基づいた教会組織が形成されている。
 (注2)新宗教運動
 一般には(ここで使われているように)発生したばかりの新しい宗教運動を意味する。新宗教は、ほとんどの社会に繰り返し生まれてきた。その教義、典礼、組織などが従来の宗教的伝統と大きく異なる場合にも、またそれが他文化から移入された宗教的概念である場合にも、“新”宗教運動と呼称される。

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