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日蓮大聖人・池田大作

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終論 法華経は師弟不二の経典

講義「法華経の智慧」(池田大作全集第29-31巻)

前後
15  「つねに伸びていくのだ!」──牧口先生
 池田 そう。渾身の力を振り絞っての講義であったに違いありません。
 師匠というのはそういうものです。大切な弟子のために、後世の人たちに道を開くために、わが身を惜しまないのです。
 それが「仏」です。仏とは、最後の最後まで戦う人なのです。
 熱原の法難のさなかに教えてくださった「月月・日日につより給へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」。この一句こそ、「信心」の精髄です。
 牧口先生は、晩年まで「われわれ青年は!」と言われ、「暦の年じゃない。つねに伸びていくのだ」と言われていたという。
 仏法に年齢はない。法華経の功力は「不老不死」です。いな、一般の世間であっても、人生の達人には停滞はない。
 ゲーテは言っている。
 「わたしは人間だったのだ。そしてそれは戦う人だということを意味している」(高橋健二訳『ゲーテの言葉』彌生書房)。
 また、ロマン・ロランは「苦悩と戦いと、これほど正常ノーマルなものがあるだろうか? それは宇宙の脊柱だ」(山口三夫訳『ロマン・ロランの言葉』彌生書房)と。
 私は青年時代、ホイットマンを愛読したが、彼もうたった。
 「今こそ、私の言うことをよく了解し給え──どんな成功の成果からも、それが何であろうと、さらに大きな苦闘を必要とする何ものかが出現することは、万物の本質のうちに具わっているのだ」(「大道の歌」、『ホイットマン詩集』〈長沼重隆訳〉所収、角川書店)
 広宣流布も同じです。人間革命も同じです。これを二十一世紀を担う若き諸君は胸に刻んでもらいたい。安逸は滅びの因だ。「建設は死闘、破壊は一瞬」です。
 これから二十一世紀にかけて、いかなる思想、いかなる運動が、民衆をリードしていくか。熾烈なデッドヒートが始まっていることを忘れてはならない。
 斉藤 四年半の長きにわたって、法華経について語っていただき、無量無辺の宝をいただきました。そして私が驚嘆するのは、池田先生が二十歳(数え年の二十一歳)の時、戸田先生の法華経講義を聴いて書かれた感想の中に、「真髄」は、すべて入っているということです。
 そこで、最後に、この一文を掲載させていただきたいと思います。
 池田 分かりました。法華経を論じたと言っても、まだまだ浅いし、十分ではない。日蓮大聖人の仏法は限りなく深いものです。だから、これまでの研鑚をもとに、将来、さらに完璧な法華経論を目指してもらいたい。
 妙法を広宣流布しているわれわれにしか、法華経の真髄は決してわからないからです。
16  法華経講義(第七回法華経講義)の感想(昭和二十三年〈一九四八年〉九月十三日)
 ああ、われ、法華経の深遠偉大なるに驚嘆す。
 人類を、真に救い得る道は、法華経に非ずや。
 宇宙と、生命の根源を、覚悟せし法義。
 全人類に、最高の人格と、幸福とを、必ずや得さしめんと、教示給いし根本原理。
 ああ、われ、二十一歳なり。
 人生を船出せしより、何を思索し、何を為し、何をわが幸福の源泉と為せしや。
 今日よりは、雄々しく進まん。
 今日よりは、確固として生きなん。
 大法の生命の中に生きん。苦悩に打ち勝ちて。
 真の悲しみは、偉大なる人生を鼓舞する。
 われ今、真実の大道、しかして、生命を自覚せり。
   
 厳粛に黄昏れる富士の山。麗しき、多彩なる雲。東に昇る賞月。そして、自己の実在。
 吾れに、生きゆく生命の活動あり。ゆえに、美の極致、この生命の中に存するなり。
 ああ、甚深無量なる法華経の玄理に遇いし、身の福運を知る。
 戸田先生こそ、人類の師ならん。
 祖国を憂え、人類に必ずや最高の幸福を与えんと、邁進なされ行く大信念。
 そして正義の、何ものをも焼くが如き情熱。
 唯々、全衆生を成仏せしめんと、苦難と戦い、大悪世に、大曙光を点じられた、日蓮大聖人の大慈悲に感涙す。
 若人は、進まねばならぬ。永遠に前へ。
 若人は、進まねばならぬ・令法久住の為に。
   
 妙法の徒。吾が行動に恥なきや。吾れ、心奥に迷いなきや。信ずる者も、汝自身なり。
 祖国を救うのも、汝自身なり。
 宗教革命、即人間革命なり。かくして、教育革命、経済革命あり、真の政治革命とならん。
 混濁の世。社会と、人を浄化せしむる者は誰ぞ。
 学会の使命重大なり。学会の前進のみ、それを決せん。
 革命は死なり。
 われらの死は、妙法への帰命なり。
 真の大死こそ、祖国と世界を救う大柱石とならん。
 若人よ、大慈悲を抱きて進め。
 若人よ、大哲理を抱きて戦え。
 われ、弱冠二十にして、最高に栄光ある青春の生きゆく道を知る。

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