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日蓮大聖人・池田大作

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妙荘厳王本事品(第二十七章) 盤石な「…  

講義「法華経の智慧」(池田大作全集第29-31巻)

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21  「何とかなるだろう」は信心利用
 池田 周囲も、ひとつひとつの家庭を、こまやかに大事にしてあげていただきたい。たとえば、今は不況の時代です。
 ご主人が、仕事に専念しなければならない場合もある。
 「あなたは今は仕事に頑張ってください」と、しっかり題目を唱えるように言ってあげたほうがいい場合がある。しつかり活動して、福運をつけるようにしたほうがいい場合もある。聡明に、価値判断しなければならない。
 現実は厳しい。一番いけないのは無責任です。「御本尊を拝んでいるから何とかなるだろう」というのは信心利用です。祈ったならば、全力をあげて、全身全霊で、それを実現していくために戦うのが、まことの信心です。
 社会で勝ち、「実証」を示してこそ、一家の勝利もあるし、広布の進展もある。不可能を可能にする信心で、「湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に」祈って、祈って、勝つのです。これが「神変」です。それによって、社会の信頼を勝ち取っていくのです。
 妙荘厳王品の終わりのほうで、王は仏に対して、こう誓っている。「我今日より、復みずから心行に随わず。邪見、僑慢、瞋恚、諸悪の心を生ぜじ」(法華経六六三ページ)
 (「きょうよりは二度と、自分の心の言いなりにはなりません。二度と邪見、僑慢、瞋り、諸悪の心を起こしません」)
 権力者が、このように変わった。自分勝手で、わがままで、増上慢で、焼きもちやきで、正義を正しく見られない悪人が、「母と青年」の戦いで正義に目ざめた。ただ「自分のため」に生きていた人間が、「民衆のため」の人生に変わった。
22  二十一世紀は「哲学の時代」
 池田 「王」というのは、政治を象徴し、広げれば経済などの社会の営みを象徴している。しかし「それだけでは幸福はない。正しき哲学が必要だ」というのが、妙荘厳王品なのです。
 政治も経済も「手段」です。「目的」は人間の幸福です。その目的を達成するには、人生とは何か、幸福とは何か、どうすれば実現できるのかという「哲学」が、どうしても必要になる。
 二十一世紀は、政治だけ、経済だけでなく、一歩深い「生命の時代」であり、「哲学の時代」となっていかざるをえないと、私は見ています。その先駆けが私たちです。
 日本という悪王を、善の「妙荘厳王」に変え、世界をその方向に引っ張っていく軌道を今、つくっているのです。

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