Nichiren・Ikeda
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63 波濤(63)
山本伸一は、川口市立芝スポーツセンターで、「青春会」のメンバーを激励したあと、さらに、会食会に出席した。彼は一刻も早く東京に戻り、体を休めたかった。
しかし、全国から集って来た「青春会」の代表も参加するのだ。出席しないわけにはいかなかった。
「人生は波濤の連続だ。必ず勝つんだよ。勝負は二十一世紀だ。待っているよ」
彼は、食事には、ほとんど手をつけず、何度も、こう繰り返した。
会食の予定は、二時間ほどであったが、四、五十分で切り上げた。体力は限界に達していたのだ。伸一が、精密検査のために入院するのは、それから一カ月後のことである。
伸一は、「青春会」の集いに自分が出席できず、妻の峯子を代わりに差し向けたこともあった。彼女たちを励ますために、あらゆる手を尽くしたのである。
″「女性の世紀」である二十一世紀を、「青春会」に託すのだ!″
伸一も、峯子も、その心で、生命を注ぐ思いで激励し、成長を見守り続けてきた。
遂に、目標とした二十一世紀――。
「青春会」は、見事に、婦人部の中核に育った。総合婦人部長、婦人部長、書記長をはじめ、全国・方面幹部など、実に多くのメンバーが、広宣流布の枢要な立場で活躍している。
また、小学校の校長や国会議員など、社会の重責を担っている人もいる。
「青春会」は、誓い通りに、皆が人生の本舞台に立った。いよいよ、この世の使命を果たすべき勝負の時を迎えた。創価学会は、広宣流布は、その双肩にかかっているのだ。
人間として何をなすのか! 弟子として、広宣流布のために何を残すのか! 伸一は、師弟の道を貫く彼女たちの、尊き栄光の人生を、峯子と共に、ますます健康で、永遠に見守り続けていこうと、心に誓うのであった。
今、この「青春会」の伝統精神は、世界各地に誕生した新世紀の華陽会に受け継がれ、創価の女性運動の大潮流となって、地球を包もうとしているのだ。