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日蓮大聖人・池田大作

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人間関係って むずかしい 友情の積み重ねが「平和社会の土台」

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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13  「一生懸命」は偽善的なのか
 ―― 今の風潮としては、「信念が欠けている」現実があります。
 「何かに一生懸命だと、八方美人に思われる」とか「真剣にやればやるほど、偽善と思われる」とか。
 池田 「人間は生まれながらに皆、死刑囚である」と言われる。人間、いつかは死ぬ。だれもが必ず、その日を迎える。
 では、その限りある生を何に使うか。それが大事だ。くだらないことに、あくせくしても一生。なかには、自ら命を絶つ人もいる。こんな愚かな、悲しいことはない。断じて自殺はいけない。
 どうせ命をかけるならば、偉大なもの、崇高なもの、永遠の正義にかけるべきではないだろうか。
 大変な時に、変わらずに頑張れば、後で尊敬される。状況が厳しかろうが、人が変わろうが、自分は自分の決めた道を貫く。その人が「人間として」の王者です。勝利者です。最後は勝つ。そういう人であってこそ、本当の友情をつくれるのです。
 私にも、そういう友人がいる。世界中にいる。
 皆さんのお父さん、お母さんも、そうです。無名の庶民の″忘れ得ぬ同志″がいるからこそ、その方々のために私は生きているのです。本当の友情だから、学会は強いのです。この崇高な「同志の心」を受け継いでもらいたい。
 ―― ひと口に友情といっても、大変に奥の深いものだとわかりました。
 池田 友情は、人間にとっての大切な基本です。友情は、平和のためにも、社会の向上のためにも、大きな「滋養」であり「刺激」となる。友情の積み重ねが、平和社会の土台となるのです。
14  人間共和の「永遠の都」を
 ―― 全ての人が友情で結ばれたらすばらしいですね。
 池田 人間はみな平等です。だから、人類はみな友情を結んで、理想的な社会をつくろうとする。人間共和の「永遠の都」です。
 釈尊は、こういう「友情」の心をこめて「一切衆生」と言ったのです。ありとあらゆる人間、生命を平等に大切にしていこう、一人のこらず幸福にしていこうという心です。
 しかし、全世界の人々が全部、友情で結びつくのが理想であっても、現実にはそうではない場合のほうが多いでしょう。
 だからこそ、積極的に「友情を結んでいく」行動が大切なのです。少しでもよい、現実に挑戦し、現実を変えていくのです。その積み重ねが平和をつくっていく。
15  「一対一の関係」がすべての基本
 ―― 池田先生は、世界中に「心の懸け橋」をつくっておられます。文化交流、教育交流、人間交流で……。
 でも私たちは、なかなかそこまでいけないという感じなのですが。
 池田 大きい戦いといっても、じつは「一対一の関係」の積み重ねなのです。小さな一歩一歩を、一人一人を徹底して大切にしてきたからこそ、世界に広がる友情の世界ができたのです。一対一の関係です、どこまでも。それを何か大きなことを言ったり、したりすることが大人物のように錯覚してはならない。
 雨の一滴も、川の水の一滴も、大海の一滴も、一滴には違いがない。小さな世界の中の友情であったとしても、全世界の友情につながる。同じ「友情」であり、違いはない。「一人」の本当の友人をつくることが、「世界」の平和へと通じているのです。

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