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中国・南開大学「名誉教授」、周恩来研究… 「民衆奉仕」の周総理に学べ

1998.11.25 スピーチ(1998.3〜)(池田大作全集第89巻)

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9  忘れ得ぬ周総理との会見
 私は今、周総理とお会いした、二十四年前(一九七四年)のあの十二月五日の忘れ得ぬ夜を思い起こします。
 周総理は、強く私の手を握り、千年先まで見通すような鋭い、それでいて柔和な、何とも言えない眼差しで、私の目をじっと、ご覧になっておりました。
 総理は言われました。「池田先生は二度目の訪中ですね。六月にいらっしゃった時には、病気がひどい時分で、お会いできませんでした。今回は、どうしても、お会いしたいと思いました。お会いできてうれしいです」と。
 この時の会見記録は、克明に残っております。後世のために、その一端を紹介させていただきたい。
 周総理は、すべての経緯をご存じの様子で、こう語られました。
 「これまで中国にこられた人たちが、池田先生への尊敬を込めて、私に言っておりました。″私たちの訪中は、池田先生から『中国と友好を結ぶように』という指導があったからです。中日国交への努力は、池田先生の指導の賜です″と、私は聞いております。
 創価学会は、中日友好に尽力されました。これは、私たちの共通の願望です。ともに努力していきましょう! 中日平和友好条約の早期締結を希望します!」と。
 政治家でもない私に、そう言われたのである。さらに、総理は、地球全体を展望するかのような表情で、「二十世紀の最後の二十五年間が、世界にとって最も大事な時期です。全世界は、平等に、お互いに立場を尊重しあいながら、仲良くしていくべきです。励まし合っていくべきです」と、三十歳年下の私に、後事を託すがごとく語ってくださったのであります。
10  中国は日本に文化を教えてくれた「師匠」の国であり、「父」「兄」の国であります。その大恩を忘れて、侵略し、略奪し、苦しめきった歴史は、どんなに懺悔してもしきれない。
 日本の権力の魔性は、心が小さく、ねじれ、いばり、人をいじめる。諸君は絶対に、そういう人間になってはならない。
 生涯、心から中国の方々を尊敬し、大切にし、尽くしていく。そういう人間であっていただきたい。(拍手)
11  日中の青年が連帯を! 総理の「平和の悲願」を継いで
 両国の「平和友好条約二十周年」の佳節を祝して、本日、先ほど江沢民主席が、中国の国家元首として史上初めて日本を公式訪問されました。
 民衆を代表し、そして青年を代表し、私たちは心から歓迎申し上げるものであります。(拍手)
 江主席は、昨年、ハーバード大学での名講演で、語られました。
 「太陽の光が七色の色彩を持つように、世界もまた、さまざまな色を放っている。すべての国家、民族は、皆、自らの歴史、文化、伝統を持ち、それぞれに長所をもっている。ゆえに、相互に尊重し、相互に学び合い、相互に補い合い、ともに進歩していかねばならない」と。
 重大な指摘であります。
 私は、三十年前、あの学生部総会での「日中提言」で、中国と日本の青年の連帯が軸となって、アジアの民衆の幸福に尽力すべきことを訴えました。
 両国の教育・文化の交流を一段と強く推進し、これからの世界の安定と繁栄に貢献していくことが、私どもの願いであり、決心なのであります。
 結びに、周総理から、しかと託された「南開精神」を、私は、いよいよたぎらせながら、二十世紀の重要な総仕上げを、諸君とともに晴れ晴れと飾りたい。
 そして平和の七色の虹かかる「二十一世紀の新たな人類史」へ、学長ご一行ならびに両国の若き知性のリーダーとともに出発しゆくことを、ここに約し合って、私の感謝のスピーチを終わります。
 謝謝(シェシェ)!
 (創価国際友好会館)

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