Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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第6章 子どもを信じぬく心
「21世紀への母と子を語る」(池田大作全集第62巻)
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子どもを信じぬけば最後には勝てる
池田
そのとおりです。
このことで思い出すのは、恩師戸田先生のご指導です。
忘れもしない、昭和二十六年(一九五一年)五月三日──。苦闘の日々を突きぬけて、戸田先生が待望の第二代会長に就任された時のことです。
最後に先生は学会歌の指揮に立たれたのですが、その時の勢いで、卓上の水差しとコップがふれて、どちらも壊れてしまった。
先生はその時、当意即妙にこうおっしゃったのです。
「水差しは”コップがふれたから割れた”と言い、コップは”水差しがぶつかったのだから割れたのだ”と言うかもしれない。
しかし、両方に壊れる素質があったから、壊れたのです。
これが、綿とガラスだったらどうだ? 決して壊れはしまい。信心も同じです。
他人が悪いから不幸になったと思っているが、そうではない自分が綿になれば、決してだれからも壊されはしないだろう。
他人ではない。自分の宿命を変えていく以外に道はないのだ」──と。
目の前に起こった一つの出来事を生かして、仏法の深さ、人生の哲理を、分かりやすく自在に教えてくださったのです。
子育ても同じです。環境ではない。
同じ縁にふれでも、惑わされず、振りまわされない「強さ」を、まず親がもっていくことが根本です。”綿”になって、ふんわりと子どもをつつみこんであげるのです。それが、本当の「強さ」でしょう。
一時期、子どもが揺れ動いたとしても心配ない。親が子をどこまでも信じぬき、その「強さ」を忍耐強く養ってあげれば、何があろうと最後には、勝てる。一緒に大きく人生を開いていけるのです。
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