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創価大39回・創価女短大25回入学式  

2009.4.3 スピーチ(聖教新聞2009年下)

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8  素晴らしき“人材の港”
 総長は、こうした海洋の英雄たちの、不屈の挑戦精神を現代に受け継ぐ指導者を、たくさん育成しておられる。
 「一方の扉が閉まると、もう一方の扉が開かれる」──これが、幾多の苦難を勝ち越えてこられた、総長の「負けじ魂」であったと、私たちは思うのであります。
 貴国は東西冷戦の時代に、陸路の交流が閉ざされる危機のなか、勇壮に海へと活路を見出していかれました。
 今や貴国は世界一の「造船」、さらに世界トップレベルの「海運」を誇る海洋大国として、見事に、世界に燦たる勝利を収められた。
 そして、その偉大な原動力となった、素晴らしき“人材の港”こそ、貴大学なのであります。
 わが新人生の皆さんも、きょうから希望に燃えて、眼前に広がる「学問の大海原」に船出していっていただきたい。
 勉強することだ。教員は、学ぶ意欲をわき立たせる知恵を発揮することです。
 新入生の皆さん!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 ご両親に対しても、それくらい元気な返事をしてほしい。お父さん、お母さんを安心させ、喜ばせてあげるのです。約束だよ!
9  今、創大も短大も、世界に開かれてきました。さらに語学力を磨き始めました。
 語学力が勝負です。
 かつて私は、イギリスの大歴史学者であるトインビー博士と対談しました。
 “あなたと仏法を語りたい”──こういう思いのこもった手紙を博士からいただき、始まった対談でした。
 日本の古典である『竹取物語』や『源氏物語』などをめぐっても、語り合いました。
 私は“敵国の言葉である英語を学ぶな”と教えられて育った世代です。博士との対談の際は、通訳がうまくいかず、苦労しました。語学力のある人を育てなければならないと、痛切に感じました。
 皆さんは、どうか語学を磨いていただきたい。磨いた人が勝ちます。
 語学を教える先生方はおられますか?〈ここで、語学の授業を担当する教員が紹介された〉
 皆で拍手を送ろう!
 サンキュー! ダンケ(ドイツ語で「ありがとう」)! メルシー(フランス語で「ありがとう」)! ありがとう!
 将来、ご両親を海外旅行に連れて行き、通訳をしてあげるつもりで学ぶのです。
 ともあれ、「ああ、創価大学に行かせてよかった」と言われなければ、私は、皆さんのご両親に嘘をついたことになる。本当の親孝行を尽くしてあげてください。〈「ハイ!」と力強い返事が〉
10  「学ぶとは逆流に進むようなもの」
 きょうは、21世紀の大中国を担い立つ全青連(中華全国青年連合会)の方々も出席してくださいました。ありがとうございました。
 太陽のごとく光り輝く、3億7,000万人の青年の、誉れ高き代表であられます。
 全青連ご出身であられる胡錦濤国家主席と、私は、これまで3度お会いしました。〈1985年、98年、23008年に会見〉
 会見(98年)の席上、胡主席は微笑まれながら、日本に派遣され、創価大学に学んだ若き英才のリーダーを、皆に紹介されました。その方こそ、信念の平和外交に尽力する倪健げい・けん団長なのであります。
 こうした友好の一つ一つの場面を、私は忘れません。また、歴史として残してまいりました。
 中国人民の母・鄧穎超先生とも、何度も出会いを結びました。周恩来総理の夫人です。本当に良き「人民のお母さん」であられた。
 鄧先生は、愛する青年たちに、古の格言を贈られました。
 それは──
 「学ぶとは、逆流に向かって船を進めるようなものだ。進まざるは後退である」という言葉であります。
 人間も社会も、傲慢になり、学ぶ心を失ってしまえば、時代の激流に押し流されて衰退するしかない。
 だからこそ、青年は、立ち止まってはならない。学んで学んで、学び抜くことです。
 私は、それを実践してきました。
 若き日に戸田先生と会い、「一生、この人についていこう」と決めた。
 荒波にも負けず、民衆の船を、希望へ、勝利へ、平和へ、前進させゆくエンジンになろう!──こう19歳で決意したのです。
 私は、戸田先生との誓いのままに、人生を進んできました。
 そして、周恩来総理との誓いのままに、友好の道を開いてまいりました。
11  切磋琢磨を!
 はるか千年の昔、韓国の大文人・崔致遠チェ・チウォン先生は、中国に留学した折、生涯の友情を結んだ学友の顧雲こ・うん先生と、互いの努力と研鑚を讃え合いました。
 “わが友よ!君の学識は、大海の鯨が潮を吹くように溢れている。そして、君の言論の剣は、銀河が天を貫くように鋭く輝きわたる”と。
 君たちも、良き友と励まし合い、切磋琢磨することです。悪い友人を持ったら損です。良き友こそ宝です。
 そして、健康で、朗らかに、充実と向上の青春を、気宇壮大に飾りゆかれんことを、期待します。
 そこにこそ、人生の勝利者になりゆく道があります。正しい青年の道があるからです。
12  貴大学を擁する釜山をはじめ大韓民国、さらに、大中国の無窮のご繁栄を、私たちは心からお祈り申し上げます。
 そして貴大学の校歌の一節「太平洋の青き波を胸に抱き 力強く育ちゆけ」を心に響かせながら、平和と文化と教育の大航海へ、共々に新しく出発しゆくことを決意して、先生方に対する御礼のスピーチとさせていただきます。
13  冬は去り、春は巡り来た。
 春です。
 太陽は輝いている。
 まさに、“The sunshines brightly!”です。
 新入人生、頑張れ!
 どんなに苦しいこと、いやなことがあっても、今は経済的に苦しくても、くじけてはならない。卑屈になってはならない。
 苦難など笑い飛ばして、楽観主義で進むのだ。
 ともあれ、きょうは、入学おめでとう!
 幸福になってください。勝利者になってください。英知に輝く人生を勝ち抜いてください。──こう申し上げ、私の話を終わります。
 ありがとう! カムサ・ハムニダ!(韓国語で「ありがとうございました」)

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