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日蓮大聖人・池田大作

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中部文化友好祭 「大いなる人間」の時代へ旭日は昇る

1991.10.20 スピーチ(1991.10〜)(池田大作全集第79巻)

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4  詩聖・タゴールの「大いなる人間の出現に勝利あれ」
 今年はインドの詩聖タゴールの没後五十周年──。タゴールは私の青春の愛読書であった。
 第二次世界大戦の暗い時代にあって、死を前に、タゴールは、高慢な、また無礼な旧勢力が瓦礫となって崩れゆくのをあちらこちらでの当たりにする。しかし、それでも彼は「人間」への信仰、大信頼の心だけは絶対に手放さなかった。
 詩聖の″創造と思索の生涯″の到達点──それはやはり「人間」であった。「人間」をこそ尊敬し、その聖なる内面を礼拝した。これは仏法の本来の精神にも通じる。
 大動乱が過ぎ去ったあとのすがすがしい大気のなか、「希望の旭日」が昇りゆくことをタゴールは確信していた。いつの日か、新しい「自由なる人間」の群像が出現し、失われた人類の遺産を取り戻すために、あらゆる障害を乗り越えて進んでくれるだろう、と。
 諸君こそ、その「新しい人間」であると確信する。
5  彼は、そうした「大いなる人間」の出現を歓迎する歌を残している。題して「最後のうた」。死の直前まで書かれた詩集である。その一編をご紹介したい。
  おお大いなる人間がやって来る──
  あたりいちめん
  地上では草という草がふるえる。
  天上には法螺貝ほらがいが鳴り響き、
  地上には勝利の太鼓がとどろく──
  大いなる生誕のよろこびの瞬間ときが来たのだ。
  今日暗き夜の要塞ようさいの門が
  こなごなに打ち破られた。
  日の出の山頂に新しい生命への希望をいだいて
  おそれるな怖れるなと、呼ばわる声がする。
  人間の出現に勝利あれかしと、
  広大な空に
  勝利の讃歌さんかがこだまする。
  (「最後のうた」森本達雄訳)
6  暗き夜のような″権威の門″″傲慢の門″″人間蔑視の門″は破られた。新しい自由な人間の出現に勝利あれ──。
 どこまでも「人間」である。大聖人の仏法も、その目的は「人間」の幸福である。
 どうか、中部の皆さま、そして私どもSGIは、この人間の勝利の賛歌を高らかに歌い続けていきましょう、と申し上げ、スピーチを終わります。きょうは本当におめでとう!

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