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日蓮大聖人・池田大作

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君は自由?不自由? 人生は「無限の自由をつかむ」戦い

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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14  人間革命へ「今なすべきこと」に勝て!!
 ―― 「自分の将来の夢を、親は理解してくれない。自分の将来だから自分で自由に決めたい」という意見には……。
 池田 それは、ケース・バイ・ケースです。親のほうが、経験のうえからも、社会を見る目からも、正しい考え方、見分け方をしている場合もある。未経験の人が、経験ある人に相談・指導を受けながら、安全な、価値ある方向に行ったほうが賢明な場合も多々ある。とくに、東洋的な思想には、そのような傾向が強くある。
 親の言う通りにして、順調に進んでいる場合も多い。だが、若干、親が古い考え方である場合とか、親の思いやりの過重さが災いとなって、子どもに納得と理解をさせないで、強引的に、その方向に行かせようとしている恐れもある。
 時代とともに変化するものも大きいし、結論的には、自分自身の希望の道を、自分自身が責任をもって、自分自身がつくりあげ、自分自身が苦労し、悔いのない道を決め、歩んでいくことが正しい方向であると思う。
 なぜなら、一生は長いからです。歩むのは自分自身であり、戦うのも、勝利するのも自分自身です。いつまでも、親がいるわけではない。
 親は、子どもの希望の方向へ、力強く支援していく姿勢のほうが、親子ともに満足の方向が見いだせるのではないかと、私は思う。
 諸君も、親や周囲が納得するだけの姿を示すことです。とくに周囲に反対されている人は、皆を納得させるだけの熱意と、自分の直面している課題に完全燃焼している姿を示すことだと思う。
 今の課題から逃げている人は、未来も、また自分の課題から逃げてしまうだろう。それでは、だれも納得しないでしょう。
15  「人を蹴落とす自由」はあるか
 ―― 受験は人との競争です。自分が勝つか、他人が勝つか。あるメンバーから「人を蹴落とす自由もあるのでしょうか」と聞かれました。
 池田 それは「ある」と言えるでしょう。人生は戦いです。社会は厳しい。甘ったれの自由は許されない。善きにつけ、悪しきにつけ、弱肉強食、これが現実です。
 もちろん、本来的には、すべての人が平等で、すべての人が自由で、すべての人が幸福であることが原則でなくてはならない。これが、国連憲章や世界人権宣言の精神でもあり、仏法の精神でもある。
 しかし、現実には、人間は機械ではない。考え方や、個性、性格も違うし、宿命も違う。ゆえに、始末に負えないことだが、人を蹴落として自分が満足しようとする人間の業は、永久に消えないでしょう。
 それを法律や、行政や、教育でどのようにしていくか。現状は、残念ながら不十分です。人類社会の現実は、理想的な段階には、ほど遠い。
 それを理想に近づけていく根本は、「人間革命」運動です。矛盾の社会の中で、人の幸福を祈り、つくっていく生き方を広げていくのです。人を蹴落としていくというのは、動物です。自他共の幸福をつくる自分となるのが、人間革命です。ゆえに、一人一人の人間革命に支えられた社会をつくらなくてはいけない。
16  君よ、万人の自由のために戦え!
 池田 ある意味では、すべての人が幸福にならない限り、自分の真の幸福はないとも言える。そう自覚しているのが仏法でいう菩薩の生き方です。同じ意味で、すべての人が自由にならない限り、自分の真の自由はないとも言える。
 今も世界には、「貧困」や「抑圧」や「恐怖」に縛りつけられたり、「無知」に縛りつけられたり、「戦争」や「差別」に自由を破壊されている人々は多い。そういう人々の自由のために立ち上がり、戦う人こそが、本当の自由人なのです。私は、諸君に、そういう人になってほしいのです。
 そのためにも、今、自分自身のなすべきことに、立ち向かい、突き抜けて、勝利してもらいたい。その苦闘の中に、「自由」は自然とつくられていくのです。木が根を張りながら、大空に向かって伸び、大きくなり、花を咲かせ、実をつけるように。
 だから、「青春」の君よ、希望という「太陽」に向かって進め! と呼びかけたいのです。

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