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日蓮大聖人・池田大作

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君は自由?不自由? 人生は「無限の自由をつかむ」戦い

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

前後
15  「人を蹴落とす自由」はあるか
 ―― 受験は人との競争です。自分が勝つか、他人が勝つか。あるメンバーから「人を蹴落とす自由もあるのでしょうか」と聞かれました。
 池田 それは「ある」と言えるでしょう。人生は戦いです。社会は厳しい。甘ったれの自由は許されない。善きにつけ、悪しきにつけ、弱肉強食、これが現実です。
 もちろん、本来的には、すべての人が平等で、すべての人が自由で、すべての人が幸福であることが原則でなくてはならない。これが、国連憲章や世界人権宣言の精神でもあり、仏法の精神でもある。
 しかし、現実には、人間は機械ではない。考え方や、個性、性格も違うし、宿命も違う。ゆえに、始末に負えないことだが、人を蹴落として自分が満足しようとする人間の業は、永久に消えないでしょう。
 それを法律や、行政や、教育でどのようにしていくか。現状は、残念ながら不十分です。人類社会の現実は、理想的な段階には、ほど遠い。
 それを理想に近づけていく根本は、「人間革命」運動です。矛盾の社会の中で、人の幸福を祈り、つくっていく生き方を広げていくのです。人を蹴落としていくというのは、動物です。自他共の幸福をつくる自分となるのが、人間革命です。ゆえに、一人一人の人間革命に支えられた社会をつくらなくてはいけない。
16  君よ、万人の自由のために戦え!
 池田 ある意味では、すべての人が幸福にならない限り、自分の真の幸福はないとも言える。そう自覚しているのが仏法でいう菩薩の生き方です。同じ意味で、すべての人が自由にならない限り、自分の真の自由はないとも言える。
 今も世界には、「貧困」や「抑圧」や「恐怖」に縛りつけられたり、「無知」に縛りつけられたり、「戦争」や「差別」に自由を破壊されている人々は多い。そういう人々の自由のために立ち上がり、戦う人こそが、本当の自由人なのです。私は、諸君に、そういう人になってほしいのです。
 そのためにも、今、自分自身のなすべきことに、立ち向かい、突き抜けて、勝利してもらいたい。その苦闘の中に、「自由」は自然とつくられていくのです。木が根を張りながら、大空に向かって伸び、大きくなり、花を咲かせ、実をつけるように。
 だから、「青春」の君よ、希望という「太陽」に向かって進め! と呼びかけたいのです。

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