Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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第3章 「生きる力」を親子で育む
「21世紀への母と子を語る」(池田大作全集第62巻)
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ともに悩みを乗り越える生き方を
池田
本当によかった。皆さん方が元気に使命の舞台で活躍される姿ほど、私にとってうれしいことはありません。
悩んでいる人がいれば、自分のことはさておいても全身全霊で励ましていくのが、仏法者の心であり、創価学会の精神です。
現代は、“自分さえよければ”とか、“他人のことなどかまわない”といった風潮が強まってきている。
そんな殺伐とした世の中にあって、創価学会は、“苦しんでいる人を放っておけない”“いっしょに幸せになろう”と、ともに手に手をとって進んできた。だから強いんです。
御書にも、門下である富木常忍の夫人が病気であるとの報せを受けた日蓮大聖人が、富木常忍をこう励まされている御文があります。
「尼御前のご病気のことは、私自身の身の上のことと思っておりますので、昼も夜も(夫人の健康を)諸天に祈っております」「願わくは、日天、月天よ。尼御前の命に代わって助けられよ」(978㌻、趣意)と。
富木常忍夫妻の悩みに同苦され、その心にまっすぐ分け入るように渾身の激励をされる大聖人の御姿――私は、ここに口先でも形式でもない、生命からほとばしる思いで、真剣勝負の“蘇生の励まし”を送る、仏法者としての根本姿勢が示されていると思います。
笠貫
「私自身の身の上のことと思っております」とは、本当にありがたい激励ですね。私たちも、その心構えで、同志の皆さんに接してまいります。
池田
牧口先生も戸田先生も、悩める友を前に、時には涙さえ浮かべて、わが事のように心配し激励され、その人たちが宿命を乗り越え、「新しい人生」を悠然と開いていく姿を見ることを最大の喜びとされていた。これが創価学会の偉大なる伝統です。
病弱だった私がここまで生きてこられたのも、“断じて死なせはしない”と戸田先生が徹して祈り、「死ぬなよ」「早死にするな」と励まし続けてくださったからでした。
“苦しんでいる友に幸せになってもらいたい”“友の悩みを何とか解決してあげたい”との思いが、「生きる勇気」となり、「希望の光明」となって、「幸福の大道」がともに開かれていく――その生き方のなかにこそ、最高の人間性の輝きがあるのです。
教育も子育ても、精神は同じです。
子ども一人ひとりがかかえる悩みに真剣に耳を傾け、その苦しみをともに乗り越えていこうとする――こうした心が、一切の出発点になるのです。
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