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日蓮大聖人・池田大作

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「氷川池田青年研修塾」記念の集い 「水滸会」訓練の地から人材群を

1983.5.4 「広布と人生を語る」第4巻

前後
1  昭和二十九年秋、戸田先生と当時の青年部中枢のメンバー六十数人が、思いで深い広布の鍛練をしたのが、この氷川の地であった。それは、今日では、草創の輝く歴史の一コマとしてよく知られている。当時の同志で亡くなった方も何人かおられるが、一人ひとりを偲び、追善の勤行もさせていただいた。
 妙法の歴史は、そのときは小さなように思えるかもしれない。しかし、時を経れば経るほど深化され、拡大され、永遠性をはらんでいくものだ。この日の集いも、また皆さん方も、永遠なる広布の歴史のなかに輝いていくにちがいない。
2  地球の自転エネルギーも、宇宙のさまざまな力が働くなかから与えられているという。信心も同じである。自分自身の信心の力、広布への力をつけていくために、同志の励ましなどさまざまな信心深化の関係性がある。
 その根本が、師弟の関係である。われわれにとっての仏法の師は御法主上人であられ、人生の師は戸田先生であった。この師の薫陶を根本にして、それぞれの信心を回転しゆくエネルギー、力を、自分のものとしてきたのである。
 そして「善知識と申すは一向・師にもあらず一向・弟子にもあらずある事なり」と御書にある。組織における同志は善知識である。それを師ととらえていくところに、信心のおおいなる誤りが生ずるのである。
 ともあれ、こうした師や善知識から離れて、慢心や好きいの感情、エゴで動いている人は、いかに自己正当化の言を弄しても、仏法の法理は厳しく、深き生命の躍動と歓喜はない。周囲と正しい調和を保ち、たえず吸収しつつ、信心の正道、妙法のリズムにのっとってこそ、自転しつつ公転していく地球のように、生きいきとした信心の力、広布への力、また生活、人生への力を得ていくことができるのである。
3  また、大気圏が宇宙圏から地球上の生物を守る防御の役目をしているように、われわれの活動にあっても、学会の組織、会館がその任を果たしているといってもよいだろう。
 広布へ進みゆく組織、また信心錬磨の場としての会館、研修道場があるがゆえに、多くの妙法の同志が集いあうことができ、たがいに励ましあい守りあい、切磋琢磨しあって、信心を深め、広布の大道を広げていくことができる。その力が、御本尊に照らされながら、襲いくる魔の働きを防いでいるのである。
 寿量品に説かれているように「方便現涅槃」が「死」の実相であることはまちがいない。御書にも説かれているように、その死後から次の生までの期間とされる中有の道を通りぬけ、仏界の生命へと冥合し、入っていく力の源泉が唱題である。ゆえに、他人による唱題、追善の唱題も大事だが、もっとも大事なのがみずからの唱える題目である。
 エンジンの力が強ければ、強く、早く、確実に目的地につけると同様に、この人生に、死の瞬間まで、唱題に唱題を重ねた功徳力によって、成仏の大道へとすみやかに入っていけるのである。御本尊とわが生命をつなぎゆく本源力が、唱題なのである。
 後継の青年部が、広布と学会の未来を担いゆく、力ある福運に満ちた人材へと成長していかれることを心から願っている。

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