Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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十、進路の変更  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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4  ペッチェイ 結論として、私は人類の苦境の厳しさはもはや否定できないところであり、世界の状況と動向は極度に深刻であって、この傾向に歯止めをかけ、転換することが絶対に必要であるという、私たちや他の人びとが絶えず発している警告は、無視されてはならないと思うのです。この前提を余すところなく明確にしたうえで、私は、同じ確信をもってその流れを変えることは。、われわれ自身の力でできるのだ。ということを、ここでもう一度申し上げたいのです。この歴史的転機に、人類の営みの遂行に責任をもつわれわれの世代が、世界のいたるところで、人類の状況を困難にしている障害や否定的な環境に打ち勝ち、人類の状態の凋落的傾向を転換するための、あらゆる知識と手段をもっていることは疑う余地がありません。
 地球の状態がますます恐ろしいものになっていることを認識しないとすれば、それは無責任なことでしょう。しかし、それ以上に、その状態を好転させる客観的可能性をわれわれがもっていることを信じなかったり、その変革をもたらすために最善の努力を尽くさないとすれば、それはさらに良くないことでしょう。どちらの態度も、将来、未来の人類の歴史に計り知れない結果を招く、重大な誤りとして非難されなければなりません。
 われわれのだれもが、現在犯されているこうした数々の過ちを回避するために、寄与することができるのです。そして、人間革命こそが、新しい進路の選択と、人類の幸運の回復を可能にする積極的な行動の鍵なのであり、したがって、われわれは人間革命を推進すべく、力の及ぶかぎりあらゆる手を尽くさなければなりません──手遅れにならないうちに。

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