Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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九、世界の諸宗教の協力は可能か  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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7  とくに、今日においては、世界人類全体の規模で相互尊重の平和社会が実現される以外に、核兵器等による戦争を食い止め、人類を破滅の淵から救う道はありえないと考えます。そして、その人類全体の相互尊重の基盤として、この高等宗教の信仰が世界的に確立されることが、なんとしても必要であると私は信じています。
 宗教者は、安易な妥協をするのではなく、自らの正当性を堂々と主張すべきです。ただ、その場合、大切なことは、それを争いのための争いとするのでなく、たとえば争った場合、自分のほうが劣っているとわかれば、率直にすぐれている相手に従おうとする姿勢です。言うまでもなく、この争いは、あくまで言論という平和的手段によるのでなければなりません。また、その宗教の教義を正しく実践したことにより、現代社会がもたらしている危機を克服できることが、信仰している人びとの現実の姿によって示されなければなりません。
 こうした宗教本来の実践によって、個々の人間が危機的状況を克服するとともに、緊急の世界的課題に対しては、人類の一員として、その課題解決のために、宗教上の対立を超えて協力していくべきでしょう。私は、宗教的次元での独自性の主張と、世界市民としての次元での協調は、両立が可能であると考えています。

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