Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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八、人種的偏見と相互理解  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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5  池田 人種的偏見──もちろん、あなたが指摘されたように、人種だけにとどまりませんが──が先天的なものではなく、これを生み出し助長しているのが社会であり文化である以上、それを正していくこともできるということです。
 皮膚の色の違いや言語・風習の違い、あるいは性別などからくる偏見を乗り越える道は、それらのより深い根底にあってすべての人間に共通している、本質的な人間性に目を向けることであろうと思います。人間の真の尊さとは何かという真理に目を開いたとき、皮膚の色や風習は違っても、すべての人にこの尊い人間性が脈打っていることが認識されるはずです。
 法華経には、釈尊が遠い過去世に一人の菩薩として出現したとき、あらゆる人の生命の中に仏性があることを悟ったがゆえに、自分に迫害を加えてくる人をさえも礼拝したという話が説かれています。どんな人にも人間としての尊厳性を構成している根本的なものがあることを知ったとき、尊敬心をもって接せずにはいられないということです。
 さまざまな人間同士の間の偏見や差別を克服できる道は、こうした深い人間理解であろうと思います。そして、この人間理解に立ったとき、互いのもっている相違点は、かえって自分を補ってくれ、人生を豊かにしてくれる資源となるのではないでしょうか。

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