Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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学会創立五十七周年記念勤行会 「創立の志」を広布の炎と

1987.11.18 スピーチ(1987.7〜)(池田大作全集第69巻)

前後
27  さて、ラニョーは、高校での教育に自身を捧げ尽くし、四十二歳で逝去する。前述のごとく、著作を出す余裕もなかった。アランは、その師をしのんでいう。
 「師は現代のもっとも深遠な哲学者の内に、生前当然地位を占めるべきであった。師を敬愛する者、師からじかに全思想を授けられた者達は、師がこのような地位を死後占めうるよう、努めねばならない」(前掲『ラニョーとアラン』)
 そして、この言葉通り、アランらは全魂を込めて、ラニョーの講義草稿をまとめ、出版する。麗しい師弟愛である。師を思う弟子の深い一念に、私は胸を打たれる思いがする。
 アランは、生涯を通じて、繰り返し繰り返し、ラニョーを宣揚した。こうして今日、ラニョーの名は、アランとともに、歴史の花園に馥郁ふくいくと薫りを放っている。
 著名な作家モーロア(一八八五年〜一九六七年)は、アランの教え子であった。つまり、ラニョーの孫弟子にあたるが、モーロアもまた、師アランの伝記を、敬愛の心を込めてつづった。その冒頭の一節は、こうである。
 「アランはつねに偉大だが、師ラニョーについて語るとき、かれはつねにもまして偉大である」(『アラン』佐貫健訳、みすず書房)
 人生には、数限りない「出会い」があり、数限りない「絆」がある。しかし、そのなかにあって、「師弟の出会い」「師弟の絆」こそ、もっとも崇高なる″精華″であると思えてならない。このことを申し上げ、記念のスピーチとさせていただく。

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