日蓮大聖人御書|池田大作著書|御書検索|スピーチ検索

1 　努力と精進に所願満足の人生
　地元マイアミの友の、絶大なる労作業の結晶として、研修道場が立派に完成した。心から『おめでとう』と祝福したい。とともに、この労作業にたずさわってこられた方々の氏名を銅板に刻み、研修道場の一角に永久に保存し、その功労をたたえたい。
　この研修道場は、御書を研さんし、信心と異体同心の団結を強めゆく修行の場である。一人一人が地涌の勇者の広布への使命を自覚し、楽しいファミリーとしての連帯を結びゆく道場でもある。どうか、これからもウィリアムス理事長を中心に、また地元の本部長を中核として、朗らかに、仲良く、笑顔で、前進していただきたい。たとえ、弘教が思うように進まなくても、また御書の研さんが十分にできなくても、さらに唱題を重ね、所願満足の人生を生き抜いていただきたい。
　皆さま方の、今日までの唱題と広布の労作業によって、マイアミの未来発展の種子は植えられ、盤石なる土台が築かれている。必ずや、現在の幾十倍の弘教の開花と人材の輩出をみるにちがいないと確信する。
　リーダーの立場にある皆さまは、大変な労苦のときほど、余裕をもち、笑顔を忘れないでほしい。それを、困難だからといって冷静さを失い、感情的になっていくようでは、リーダーとはいえない。何があっても、余裕しゃくしゃくと指揮をとっていただきたい。

2 　何事にあっても、修行にはさまざまな苦労がある。楽なものではない。レスリングにしても、柔道にしても、技をみがくためには大変な労力がいる。またピアノの練習、学校での勉学、仕事での成功にも、努力は必要だし、多くの苦労がある。
　ましてや、私どもの信心は、永遠なる福徳を開き、仏界の生命の「我」を確立しゆく仏道修行である。修行であるがゆえに苦労はある。しかし、妙法の世界は、苦労すればするだけ、努力すればするだけ、煩悩即菩提で、大きく福運を積み、功徳を開いていけるのである。これが仏法と信心の、幸福への方程式であることを再確認していただきたい。

3 　たとえば弘教にしても、一生懸命に頑張っているが、思うように進まないことがある。また、さまざまな願いを込めて御本尊に祈っても、それらが叶わないように思える場合がある。
　しかし大聖人の仏法は「下種仏法」であり、「因果倶時」の仏法である。ゆえに、弘教への努力、御本尊への祈念は、すぐには実を結ばないようにみえても、時とともに御仏意によって必ずや花開いていくのである。これが、南無妙法蓮華経の偉大なる功徳力である。大事なのは、不退の信心の一念と絶えざる努力、精進であることを忘れてはならない。
　どうか、信心は、精進と努力がある限り、必ず所願満足の人生となっていくことを確信し、楽しく、かつ真剣に、日々の活動に励んでいただきたい。

4 　マイアミとは″壮大な国土″の意
　マアミは全世界の人々の憧れの地である。その地名に込められた意味については、皆さま方、地元の方々にこそ教えてもらうべきかもしれない。ただ、先ほど何人かの人にマイアミの地名について質問してみたが誰もわからなかった。自分の住んでいる地の名前は知っているが、その深い意味はわからない。
　もちろんマイアミの由来を知らなくても、成仏には関係がないという人もいよう。当然、御本尊を確信し、真剣に自行化他の唱題行に励んでいくことが一切の根本である。その上で、幅広く社会の知識を持っていることが大切である。その両者を兼ね備えていくなかに、生きた仏法の修行がある。唱題さえしていれば、他のことは何も知らなくてもよいというのは大きな誤りである。

5 　先ほど、素晴らしい研修道場もオープンしたし、その記念の意味も込め、少々マイアミの地名の意義を紹介しておきたい。
　マイアミ市のあるフロリダ州の「フロリダ」とは、スペイン語で、花咲く、花のような、また、花盛りの、花がいっぱいの、という意味である。またアメリカでのフロリダ州の愛称は「サンシャイン・ステート」、すなわち太陽の光あふれる州とよばれている。このように、このフロリダの地は花と光に満ちた、この上なく輝かしく美しい場所を意味している。
　マイアミ市は、このフロリダ州の代表的都市である。「マイアミ」とは、もともとこの地に住んでいたインディアンの言葉で、巨大な、たいへん大きい、という意味であったという。ここから「マイアミ川」の名が生まれ、やがて、その河口に建設された市も「マイアミ」と呼ばれるようになった、とされている。いうならば、このマイアミの地は、″壮大なる国土″という意義をはらんでいるといえよう。

6 　″壮大なる国土″に生きゆくマイアミの友に、″壮大なる魂″で、壮大なる広布の道の開拓をとの思いを込め、若き日に愛読したホイットマンの次の詩を紹介したい。
　　見えるものは宏大だ、私に、光は――天と星辰とは宏大だ
　　大地は宏大だ。過ぎゆく時間と空間は宏大だ
　　かくも多様で難解で進化するそれらの法則は宏大だ
　　しかし、これら一切を包容し賦与する私の見えざる魂はさらに宏大だ
　　光と天と星辰とを明るくし、大地を掘り、海を航するもの
　　（此の見えざる魂なしに果して何があったか。魂なしに何があるのか）
　　より多く進化し広大で難解な、おお私の魂よ！
　　遙はるかに多く多様で――彼等かれらよりもさらに永続する汝よ」
　　　（『ホイットマン詩集』白鳥省吾訳、彌生書房）
　続いて御書を拝読しておきたい。御書には一切法の根本が説かれている。ゆえに御書は全宇宙に通じ、その中の一草一木にいたるまで、あらゆるものに通じていく。また生命の深き内奥に通じている。
　「此の妙の文字は月なり日なり星なりかがみなり衣なり食なり花なり大地なり大海なり、一切の功徳を合せて妙の文字とならせ給う、又は如意宝珠のたまなり」と仰せである。
　題目の「妙」の一字に、全宇宙の一切の功徳が備わっている、との意である。

7 　私は、明日マイアミからドミニカ共和国初訪問に出発する。これからは、マイアミが北中南米を結ぶ拠点として、いよいよ重要な地域になってくるし、今後、何度も、この地を訪れたいと思っている。
　マイアミは「世界のマイアミ」であり、アメリカＳＧＩは『世界のアメリカＳＧＩ』である。また皆さま方は、現在の境遇がどうあれ、日々、豊かな福徳の無量無辺の『貯金』をしている方々である。その意味で、どうか『自分は世界一の幸福者である』との確信で進んでいただきたい。