Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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生きたようにしか死ねない  

「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)

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4  臨終に「心の財」が輝く
 池田 臨終の厳しき現実です。「蔵の財」も「身の財」も、死に臨んではむなしい。決して、それだけでは真実の幸福を支えてはくれないのです。
 ゆえに大聖人は「心の財第一なり」と教えてくださっています。「心の財」こそが、人生の永遠の財宝です。
 私も、多くの方の死を見てきました。社会的に著名な人もたくさんいました。結論して言えることは、信心の世界で戦いきった方は皆さん、尊厳なる姿で亡くなっているということです。たとえ病気や事故で亡くなった方も、長命な方も短命な方も、その死によって、遺された家族や後輩たちにかけがえのない「精神の宝」を残しておられます。
 松岡 前に紹介した東京・武蔵野〈区〉の女子部員、山本悦子さんのお母さまが、五年間の闘病の末、他界されたというお手紙をいただきました。眠るような臨終で、その相は、三十歳くらい若返ったような皺一つないお顔であられた、と。
 葬犠も、すばらしい友人葬で、親戚の方々も、美しいお母さまの姿に感銘され、真心の友人葬に感謝しておられたそうです
 。
 池田 全部、お聞きしています。亡くなってなお、広宣流布のお仕事をされたのですね。
 お母さまは勝ちました。見事に宿命転換されました。最愛の人を亡くされた娘さんの悲しみは、察するに余りあります。しかし、お母さまを介護し続けた娘さんも勝ったのです。逝く人も、看取った人も、ともどもに勝ったのです。
 戸田先生が逝去される前年でした。
  勝ち負けは
    人の生命
      常なれど
    最後の勝を
      仏にぞ祈らむ
 との歌をいただきました。
 人生の最終章の勝ちは、御本尊に祈っていく以外にはないのです

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