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日蓮大聖人・池田大作

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創価中学・高等学校第23回栄光祭 「一人立つ」ときに強き勇者に

1990.7.17 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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6  今は「勉強」と「鍛え」の時代
 「個人」が、あらゆる艱難を超えて、高貴なる信念に生きぬいていく――。そこにヨーロッパの最良の伝統がある。私が、この話をする理由も、何より諸君が、個人として偉大であれ、崇高であれ、高貴であれと望むからだ。
 卑しい人間にだけはなってほしくない。浅はかな人生を生きてほしくはない。他人はどうあれ、自分は自分の信念として、偉大な自分自身の人生を創っていっていただきたい。
 集団主義の熱狂と、無責任。権威へのよりかかり。無定見に「あおる」人間に、だまされ、のせられやすい風土が日本にはある。
 そうした精神土壌とは、まったく異なる新しい人材を私は育てたい。世界的な人物を、「本物の人間」を、この学園で育てたいのである。とくに若い間は、派手な活躍にあこがれがちである。それも決して悪いことではない。成長のバネになる場合もある。また時に、広い舞台で、思いきり、あばれることも大事であろう。
 しかし、諸君の本格的な活躍の舞台は、二十一世紀である。その時に、先輩の築いた”幸福の港”を守り、責任をもって勝利していくために、今は満々たる闘志を秘めながら、じっと忍耐する勇気、勉強しぬく勇気と根性を貫いていただきたい。
 その「勇気」ある人は、いざ、みずからの”武器”をもって戦うべき時には、先陣をきる英雄ともなるにちがいない。巨匠ロダンの手で見事に魂を得た「カレーの市民」の像は、今もカレー市庁舎の前に厳然とあり、市民を見守っている。
 諸君には、これから長い長い人生がある。きょうの私のスピーチが、そのすばらしい勝利のために、何らかの糧になれば幸いである。本日は本当におめでとう。すばらしい演技もありがとう。

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