Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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東京・創価小学校、創価中学、高等学校合… 君も青春のメダリスト

1989.9.30 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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10  世界が沸いたアベベの勝利
 ”裸足の英雄”と言われたエチオピアのアベベ。彼は、オリンピックのローマ大会(1960年)と東京大会(1964年)の二回、マラソンで連続優勝している。かつてだれびともなしえなかった偉業である。東京大会でも、日本をあげての拍手喝朱をあびたが、初優勝のローマ大会は、まさに劇的であった。
 エチオピアは、かつて、イタリアの独裁者ムッソリーニに征服された(1936年〜1941年)。皇帝はイギリスヘ、涙の亡命。オリンピックは、その二十四年後である。アベベは、この皇帝の親衛隊の一兵士であった。かつて皇帝を追いだしたイタリア。その首都ローマでのオリンピック。アベベには”この地で、皇帝の無念の思いを晴らしてみせる”との深い決意があったにちがいない。 
 アベベは、ローマで見事に優勝した。勝った。しかも「オリンピックの華」マラソン競技である。世界中が沸いた。アベベは言った。「私は皇帝のために走った」「わが祖国がはじめて手にしたこのメダルは、皇帝に献上したい」と。人々は、その心情、祖国愛に涙した。「エチオピアはその一兵士によって、ローマに雪辱した」と、ある新聞は書いた。
 アベベ「一人」の勝利は、エチオピアの「すべての人々」の勝利であった。「一人」が立てばよい。「一人」が勝利すれば、それは「全員」の勝利へと通じていく。諸君は「その一人」となっていただきたい。
 自分なりの「青春の金メダリスト」「青春のチャンピオン」「トップランナー」、真の「勝利者」の栄冠をつかんでいただきたい。諸君が、その”挑戦また挑戦”の道を歩みゆくことを私は信じ、祈っている。(拍手)
 最後に、どうか、お父さん、お母さんに、くれぐれもよろしくお伝えください、と申し上げ、本日のスピーチとしたい。

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