Nichiren・Ikeda
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誓願に貫かれた大聖人の御生涯
講義「御書の世界」(上)(池田大作全集第32巻)
前後
13 万年の外、
池田 最後に、「報恩抄」の御文を拝しておきたい。大聖人の勝利宣言、末法万年の広宣流布宣言とも言うべき一節です。
斎藤 謹んで拝読します。
「」(三二九㌻)
〈通解〉――日蓮の慈悲が曠大であれば南無妙法蓮華経は万年のほか、未来までも流布するであろう。日本国の一切衆生の盲目を開く功徳がある。無間地獄の道をふさいだのである。この功徳は伝教・天台にも超過し、竜樹・迦葉にもすぐれている。
極楽百年の修行は、穢土の一日の修行の功徳に及ばない。正法・像法二千年の弘通は、末法の一時の弘通に劣るであろう。
これは、ひとえに日蓮の智慧がすぐれているからではなく、時がそうさせるのである。春には花が咲き、秋には果実がなる。夏は暖かく、冬は冷たい。これも時がそうさせることではないか。
池田 これは、大聖人の未来に向けての誓願であり、未来の法華経の行者に呼びかける御遺命の文とも拝することができる。
「日蓮が慈悲曠大」とは――大聖人が末法の衆生を根底から救う法戦をしてくださったこと。大難に耐え抜いて、そして、その戦いのなかから万人を救う仏種である南無妙法蓮華経を顕してくださったことです。
その功徳は、末法万年を超えて尽未来際まで及ぶと仰せです。
広宣流布の源流における大聖人のこの戦いを受け継ぎ、断じて絶やしてはならない。そして、その無限の功徳を、一人でも多くの人に受けさせていきなさい。そこにこそ、人類の「平和」と「幸福」の光道がある――。
そのように、私たちに呼びかけてくださっているのです。
末法万年から見れば、まだまだ草創期です。
初めて広宣流布が世界に拡大したのが、現代です。その時代を担う自覚も新たに、勇み進んでいきましょう。