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日蓮大聖人・池田大作

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冬のなかの青春  

「婦人抄」「創造家族」「生活の花束」(池田大作全集第20巻)

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6  現代の危機にさいして
 今、問題になっている自然環境の破壊は、地球運行のリズムに対する大きな逆行といわなければなりません。ここ十数年の日本列島は、大々的な逆行を進めてしまいました。その結果、住民は自然からの復讐を受けなければならなくなりました。
 公害という人災にしても、現代文明の悪の悉くは、このような自然の運行、つまり宇宙生命の運行をまったく無視して成り立っていることにあるといってよいでしょう。行き詰まるのは当然のことです。冬から秋へと逆行しているのですから、このままに過ぎたら、いったいいつ春がくるというのでしょう。現代の危機は、見かけよりもはるかに根が深いのであります。現代の警告がここにあります。この緊急事態に処して、私たちの宗教運動も、いやでも燃え上がらざるをえないのです。
 私の青春は、いかにも冬のさなかにありました。しかし私の人生は春を呼ぶことができました。そしてその春は今もつづいております。
 今、若い皆さん方は、最近の事態に怯えながら、冬の襲来を予感しているにちがいないと思います。私の冬のなかの青春の体験が、なんらかの参考になるならば、それは私の望外の幸いです。
 日本列島も、今、冬です。季節も冬なら、生活環境もますます厳冬に向かおうとしております。宇宙生命に逆行してきたことの清算を、ここいらでつけねばなりません。私たち自身に春を呼び、日本列島にも、この地球にも、まことの春を呼ぶためには、何を根本としてなさなければならないか、すでにそれは私が改まって申し上げるまでもないでしょう。(昭和四十九年一月十三日「週刊明星」掲載)

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