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日蓮大聖人・池田大作

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第六章 生命尊極の境涯「仏界」  

「生命と仏法を語る」(池田大作全集第11)

前後
10  日本人は右脳型、西欧人は左脳型
 ── 「右脳ブーム」ですね。大脳は左右に分かれていて、それぞれ役目が違うそうですが。
 屋嘉比 右脳は右半球とよび、感性とか、直観とか、イメージに深く関係しているようです。また、左脳は左半球で、論理、計算、言語の機能と関係しています。
 両半球は、「脳梁」という渡り廊下でつながっているんです。
 池田 その働きの違いは、アメリカの脳医学者スペリー博士が解明したそうですね。
 屋嘉比 ええ、博士はノーベル賞をもらっています。
 ── その後、「右脳ブーム」とか「右脳革命」といわれ、まだ話題がつづいていますが、この点はどうなんですか。
 池田 まあ、簡単に言うと、左脳は、ものごとを杓子定規にみる。
 それに対して、右脳は、事の成りゆきの底流にあるものをみる。突然のひらめき、ずばり、頭に浮かぶ直観のような働きになる。だから、右脳をもっと開発しろ、ということですね。
 屋嘉比 つまり、創造性とか情緒とか、言わば、現代が等しく求めている人間的な価値は、右脳にある。だからもっと活発化すればいい、そんな議論とみていますが……。
 ── 日本文化は絵画的でイメージにあふれている。つまり右脳文化。
 一方、論理の文化である西洋は、左脳的という人もいますね。
 池田 早く言えば、右脳型は日本人、左脳型は西欧人という特色は、ほぼ間違いないと思います。そういうことからも、なかなか東西の文化交流は、志向性の隔たりが大きすぎるわけだ。
 ── だからといって、右脳型をすぐに左脳型に変えたりできないでしょう。
 また左脳型を右脳型に変えることもできない。長い間の傾向性ですから。
 東西の一体感というのは、たいへんむずかしいことがあるでしょう。
 屋嘉比 大脳の左半球と右半球の真ん中を仕切り、両者をつなぐ役割をするのが「脳梁」なんですが、この「脳梁」には、約二億本もの神経線維があるといわれています。
 池田 左右の脳の働きを統合し闊達自在な頭脳の働きにしていくには、たいへん飛躍した論理かもしれませんが、仏法に「融通無礙」とあるように、また「中道一実」とあるように、「妙法」という「縁」をあたえることが、またその「力用」「働き」をあたえることが、大事になってくるような気がしますが。
 ですから私は、左脳、右脳両者の働きを止揚しながら、地球人一体への英知を志向していくこともできると思います。
 屋嘉比 いや、それは、素晴らしい話です。
 両者の発達こそ、調和ある人類進歩への道と思います。

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